ある意味クルマの違反より重い! 自転車の夜間無灯火走行は「前科」となる可能性があった (2/2ページ)

サイクリストもドライバーもお互いを尊重して走ろう!!

 WEB CARTOPをご覧のドライバーのなかには、運転していて「前の自転車って邪魔だなぁ」とか「おっと、あの自転車フラフラして危ないぞ!」と思った方は少なくないでしょう。そう、まさにそのとおり! 自転車ってじつはとても不安定な乗りものなんです。なにしろあんな細いタイヤ2本で走っていて、慣性の法則と乗り手のバランス感覚だけでなんとか直立を保っているんですから。

 しかも、自転車ってクルマやオートバイより格段に遅い乗りものなんです。ツールドフランスに出ている有名プロ選手なら平地でも時速50km/h以上で走れますが、その辺のチャリンコおじさんは時速30km/hでヘロヘロですから。

 それに、自転車はクルマ以上に”急に止まれない”乗りものなんです。なにしろブレーキは小さいわ、タイヤは細いわ……摩擦係数が小さいのは仕方ありません。ですから、サイクリストたちは前方に障害物を発見すると、ブレーキで止まるよりは急な進路変更でその障害物を避けようとするのです。

 いやいや、だからと言って、自転車に乗ってる人たちのほとんどは、決してクルマの邪魔をしようとしているのではありません。急な進路変更は転倒を避けようとしたやむを得ない行動ですし(後方確認をする余裕がないほど切羽詰まってたんです)、なるべく渋滞を作らないように必死にペダルを漕いでいるんです。そういう辛い事情(本音)を、ドライバーの方々にわかって欲しい……と切実に思いながら走っているそうです。

 逆に、多くのサイクリストは「後ろのクルマ、無駄に煽ってくるなぁ」とか「なんであんなにスピード出すんだろう?」とか、クルマ=ドライバーに不平不満を持っているようです。が、ドライバーにしてみれば、決して煽っているのではなく、スムースに抜かそうとタイミングを見計らっているだけですし、素早く追い抜くためにアクセルを軽く踏んだだけかもしれません。

 こうした認識の相違や理解の不一致は、とくに「クルマを運転しないサイクリスト」と「自転車に乗らないドライバー」の間ではより深刻になります。また、サイクリストにもドライバーにも、なかには交通規則やルール&マナーを守らない非常識な人たちがいます。ですから、どちらも相手の立場や状況を思い遣って、道路を走ることが大事です。そうすればお互いに事故を回避することができるでしょう。

「クルマと自転車が接触して事故を起こした場合、怪我の被害は身体が剥き出しで走っているサイクリストのほうが甚大です。逆に、責任や賠償はクルマのドライバーのほうが大きくなりがちです。なるべく事故を起こさないようにするには、サイクリストはドライバーのことを、ドライバーはサイクリストのことを考えながら走るといいでしょう。とくにサイクリストは、傾斜や凸凹がある道路の約30m先をきちんとチェックしつつ、刻一刻と変化するクルマを含めた道路状況を常に把握しながら走ることを心がけたいですね。できれば『曲がる』『止まる』のハンドサインくらいは覚えて、まわりのクルマに自分の存在や行動をアピールして走ると、さらに安全性は高まります」と、注意喚起する満生さん。

 ロードバイクに乗ったスポーツ嗜好のサイクリスト、MTBで通学している高校生、ママチャリに幼児を乗せて買い物に向かうお母さん、電動自転車で配達しているお兄さん……などなど、自転車もそれに乗っている人たちもさまざま! 当然、スピードも走り方も大きく違ってきます。WEB CARTOPの読者のなかには、そうした事実を理解していた人はそれほど多くないでしょう。この記事がそんなドライバーのお役に立ち、少しでもクルマと自転車の事故が減ることを願っております。


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