罰則はなくても貼っていないと面倒なことになるものも!
黄色い丸型の「速度抑制装置付」ステッカーも、ボディ後端に貼られていることが多い。これは大型車の高速道路における速度制限に対応したスピードリミッターが取り付けられていることを示すものだ。大型トラックがスピードを出せないことを後続のドライバーにも理解してもらうために貼っているもので、貼られていなくても罰則はないが、リミッターを不正に解除すると不正改造となって処罰の対象になる。
タンクローリーのバンパーに貼られた速度抑制装置付のステッカー。2024年からの物流危機対策として、速度制限の緩和が検討されているが、実施されればこの表示も変わるか。
丸型の青いステッカーに「九都県市」と「適合車」の文字が入っているステッカーを車体後部や側面に見かけることもある。これはこの地域のディーゼル排ガス規制に関する条例に適合していることを示しているもので、不適合では該当地域での使用や乗り入れが認められない。もし不適合車両で乗り入れた場合、検挙されれば50万円以下の罰金が課せられることになる。
※写真は八都府県の適合車ステッカー
水色の楕円のステッカーは国の自動車NOx・PM法に適合していることを示すもので、これも都市部での使用を制限するものだ。猶予期間が過ぎてもクルマを使用したことが発覚した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられる可能性がある。
緑の楕円型のステッカーは、燃費基準への達成度合いを表示したもので、年度により基準が変わっており、その達成度合いによって減税などの恩恵が受けられるが、ステッカー自体には表示の義務や罰則などはない。速度抑制装置や九都県市適合車、自動車NOx・PM法もステッカー自体は貼っていないことによる罰則はないが、貼っていないと規制をクリアしているか外観からはわからないため、停止を求められて車検証などを確認される羽目にもなりかねない。
トラックは業務で使用しているため、取り締まりなどに遭えばその時間的損失は大きい。このように罰則がないステッカーでもきちんと表示しているのは、効率よく業務をこなすための対策でもあるのだ。