側から見た底なし沼もハマってみたら幸せかも
ポルシェ沼
ポルシェの世界も一歩間違える(?)と強烈な「沼」にハマリがち。当然「底なし沼」です。なかでも特にディープな世界といえば、タイプ993型の911まで搭載されていた空冷エンジンこそが至高と信じてやまない人たち。性能的には現代のポルシェのほうがあきらかに優れているのは百も承知でも、独得のフィーリングに強いシンパシーをいだいている人も少なくありません。
そして、さらに厄介なのが、ポルシェにとって象徴ともいえる911のモデル名。車名は911でも型式は930だったり964だったり、997の次が991で現行は992? オーナーやポルシェ好き同士はあたりまえのように使いますが、数字がいったりきたりでややこしいことこの上ないのです。
911に限らず、頭のなかで「型式=ポルシェのモデル」がきちんと紐付いていれば、すでにかなりのポルシェマニアといえるでしょう。
フェラリスタ沼
カタログモデルでは飽き足らず、いわゆる「スペチアーレモデル」と呼ばれる限定車、スペシャルモデル狙いのフェラーリオーナーも少なからず存在します。しかし、ご存じのようにスペチアーレモデルは限定生産。しかも世界販売数百台というケースがほとんど。そのなかから日本への割当台数は数台〜十数台程度。この限られた枠を全国の有力なフェラーリオーナーが”奪い合う”のです。
急にお金持ちになった一見客が入り込む余地など一切ありません。では、どうすれば「スペチアーレモデル」が手に入るのか? 欲しい・欲しくないにかかわらず、かたっぱしからニューモデルを購入し、並み居るライバルを蹴落として地道に優先順位をあげていく方法がひとつ。あとはプレミア価格であることを承知で並行車、あるいは中古車市場に流れてくるスペチアーレモデルを手に入れるという荒技もあります。
いずれにせよ、庶民にとってはめまいがするような大金を迷うことなくポンと支払える経済力は必須です。
まとめ:「底なし沼」に足を突っ込んでしまった愛すべき人たち
「沼」。それはまさに1度ハマるとなかなか抜け出せないディープな世界。終わりが見えない底なし沼であることも少なくありません。
ある人は欠品・製造廃止になった純正部品を入手するべく、ネットオークションで日夜「札束の殴り合い」を繰り広げ、そしてある人は争奪戦必至な限定モデルの存在に一喜一憂し、またさらにある人は雨天未使用を固く誓っていたのに出先でゲリラ豪雨に遭遇し、避難場所で身動きが取れなくなって半日立ち往生(路面が乾くまで待ったので)といった具合に、家族や友人はもちろんのこと、クルマ好きにも理解されないこともしばしば。
しかしポジティブ(?)に解釈すると、「底なし沼」というヤバイ世界に足を突っ込んでしまった愛すべき人たちは、それほどひとつの対象に心酔できるのは至極幸せだと皮肉を抜きにして思えるのです。