この記事をまとめると
■ランドクルーザーのシリーズとしてランドクルーザー250を発表
■いままでこのポジションのモデルは「ランドクルーザープラド」を名乗っていた
■なぜプラドから250に変わったかを解説
なぜプラドを名乗るのをやめたのか
8月に発表されたランドクルーザー250。このモデルは、現在3グレード展開となっているランドクルーザー300のライトデューティーモデルのポジションを担うことになる。ちなみに、このポジションにはいままでランドクルーザープラドが存在していたわけだが、なぜ今回からプラドではなくなったのか? その背景や理由を改めて見直してみよう。
原点回帰のもとに
今回、ランドクルーザー250の発表で語られたキーワードは「原点回帰」であった。ここ数世代のランドクルーザープラドは、世代が新しくなるごとに高級かつ豪華な路線にシフトする傾向にあった。このような状況のなか、豊田章男社長(当時)は「より多くの人の生活を支えるライトデューティーモデルはお客さまが求める本来の姿に戻す必要がある」と考え方を提示。
この考え方に基づき、「多くの人の生活を支えるライトデューティーモデルは質実剛健を追求し、生活と実用を支えて信頼させるクルマ」というランドクルーザーらしさの原点に回帰する開発コンセプトに定めたのだ。
作り手の思いが溢れた名称変更
こうしてコンセプトが固まったランドクルーザーのライトデューティーモデル。単純なプラドのフルモデルチェンジではなく、ランドクルーザーの中核に位置するモデルとして新たにイチから作り直すという並々ならぬ想いで開発がスタートしたとのこと。そんな熱い想いがあったからこそ、プラドの名前を使わず250という新たな名前が与えられたそうだ。作り手の熱い想いが名前にも表れた結果と言える。
マーケティング上の狙いは何かあったのか? という質問もトヨタ自動車にぶつけたが、そのような考えは特段ないとのこと。「イチから作り直す、原点に回帰する」その想いと背景があり、名前を変更したそうだ。
こうして名前を変更するほどの熱い想いで原点回帰が図られたランドクルーザー250。その原点回帰ぶりは見た目から中身に至るまで随所に溢れている。
ランドクルーザーらしさが向上した250
まず、高いオフロード性能を予感させるデザインは、単純なクロカンらしさだけでなく性能面にもこだわった作りだ。インテリアでは、カウルとインストゥルメントパネル上面は低くし、見通しの良好な前方視界を実現し、路面を見下ろしやすいようにベルトラインも低く設計してオンロード、オフロードでも安全な走行ができるように配慮したデザインとなっている。また、壊れにくく、壊れても修理しやすい設計を取り入れているのも特徴だ。
メカニズムは300シリーズと同様のGA-Fプラットホームを採用して悪路走破性を大幅に向上させている。そのほか、スイッチ操作でフロントスタビライザーの状態を切り替えて、オフロードの悪路走破性や乗り心地とオンロードでの操縦安定性を両立するSDMや、悪路走行時のハンドル取られを軽減する電動パワーステアリングなど、ランドクルーザーとしての性能向上を狙ったさまざまなメカニズムが採用されている。
ほかにも多くの変更点があるのだが、デザイン、機能美、メカニズム、どの特徴を見てもランドクルーザーらしさを求めた原点回帰であることが見て取れる内容となっている。
新生ランドクルーザー250は、ランドクルーザーという存在がどんなモデルであるのかを見つめ直させてくれる、そんな存在と言えるだろう。