この記事をまとめると
■インドネシアではクルマよりもバイクが多く愛用されている
■しかしバイクのマナーの悪さが目立っており取り締まりが強化されている
■歩道を走るバイクも多く、ポールを設置して入れないようにする対策が進められている
インドネシアではバイクの取り締まりが厳しい
2023年春にタイの首都バンコクに行き、渋滞している道路わきの歩道を歩いていると、前方からバイク(原付)が勢いよく歩道を走ってきた。渋滞になるとショートカットしようと歩道を走るバイクが目立ってしまうようで、地元警察も取り締まり強化を進めているようであった。
そして同年8月、インドネシアの首都ジャカルタを訪れると、道路渋滞もしていないのに歩道を走るバイクの姿をよく見かけた。バンコクのように渋滞時のショートカットではなく、“逆走”が歩道を走る主な理由のように見えた。
地元事情通も「最近ジャカルタでは、バイクの取り締まりが強化されています。とくに逆走の取り締まりは厳しいようです」と教えてくれた。たしかに路線バスに乗って道路を見ていると、バイクが頻繁に警察による取り締まりを受けていた。当局もお行儀よく乗ってもらうための対策に必死なようである。街なかを走るバイクは自家用のものも多いが、ライドシェアサービスによる二輪タクシーもかなり多く走っている。
ジャカルタではトランスジャカルタという、なんちゃってBRT(バス・ラピッド・システムの略/専用レーンを走り、ジャカルタの場合は電車のような改札を通りプラットフォームにくるバスに乗降するが、一部一般車両と道路を共用して走る部分もあって渋滞に巻き込まれるので”なんちゃって”としている)が日本での通勤電車のような存在だとイメージして欲しい。
そして、トランスジャカルタの駅を降りたら、一般路線バスやアンコットと言われる小さい乗り合いバスなどへ乗り換え、さらに目的地をめざす。いきなりバイクタクシーを利用することもあるが、路線バスやアンコットを降りて自宅までのラストワンマイルとしてバイクタクシーがよく利用されるようである(バジャイという三輪タクシーも存在している)。
とにかく用途もさまざまとなるが、バイクタクシーというものが庶民の足となっている。筆者のような海外から、しかも仕事で訪れた外国人は、さまざまなリスクを考えるとバイクタクシーには乗らないだろうが、市民の足としては大活躍している。また、まだまだマイカー(四輪車)というより、マイバイクというケースも多く、とにかく街じゅうにオートバイが溢れているのである。そのような環境もあり、オートバイの逆走というものも頻繁に見かけるのかもしれない。
歩道にはバイクの歩道乱入を防ぐためにポールが立っているのだが、このポールの立つ間隔が歩行者でも躊躇するほど狭いものとなっている。“絶対二輪車を入れさせないぞ”というオーラを感じるが、一方でかなり驚いてしまう。
また、バイクの路上駐車も激しく、放っておくと道路を横断しても横断先の歩道へ行こうにも、バイクだらけで行けないことになるので、「ここには置かないで」と立て看板を置いて、歩行者の通り道を確保している。
ジャカルタのこのような状況を目の当たりにして日本に帰国すると、今度は多数の自転車が我が物顔で歩道を爆走してきるなど、無謀運転を行う自転車が街に溢れていた。どちらがよりマシかといえば、「たまにバイクが逆走してくるジャカルタ市内のほうかな?」と筆者は感じた。