どんな場所で適用される? 切り替えの時間は? 夜に多い「黄色点滅」「赤点滅」信号について調べてみた

この記事をまとめると

■交通量が少ない交差点では信号機が黄色や赤色点滅信号に切り替変えられているところがある

■点滅信号の導入には明確な基準がない

■点滅信号が運用されている交差点では出合い頭事故が多く一時停止の標識に切り替える動きも増えている

点滅信号の導入に明確な決まりはない

 信号機のある交差点でも、夜間交通量が少ない箇所では、夜更けから早朝まで(22時頃から5時の例が多い)、黄色や赤色の点滅信号に切り替えているところがある。この点滅信号の導入には、何か基準があるのだろうか?

 調べてみると、じつは明確な基準はない。

 警視庁のホームページを見ると、「信号機設置の指針」について

「交通信号機の設置基準は、 全国的な基準を警察庁が「信号機設置の指針」として定めています。 指針では、全てに該当しなければならない必要条件が5つ、どれか一つに該当しなければならない択一条件が4つあります」とある。

 ここに

必要条件1

 一方通行の場合を除き、赤信号で停止している自動車等の側方を自動車等が安全にすれ違うために必要な車道の幅員が確保できること。

必要条件2

 歩行者が安全に横断待ちをするために必要な滞留場所を確保できること。ただし、歩行者の横断が無い場所については、この限りではない。

必要条件3

 主道路の自動車等往復交通量が最大となる1時間の主道路の自動車等往復交通量が原則として300台以上であること。

必要条件4

 隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていること。ただし、信号灯器を誤認するおそれがなく、交通の円滑に支障を及ぼさないと認められる場合は、この限りではない。

必要条件5

 交通の安全と円滑に支障を及ぼさず、かつ、自動車等の運転者及び歩行者が信号灯器を良好に視認できるように信号柱を設置できること。ただし、信号柱を設置せずに、自動車等の運転者及び歩行者が信号灯器を良好に視認できる場合は、この限りではない。

 と5つの条件が書かれている。

 ここで注目したいのは「必要条件3」の「主道路の自動車等往復交通量が最大となる1時間の主道路の自動車等往復交通量が原則として300台以上であること」

 その注釈として「信号を守る意思のある歩行者であっても、12秒以上車両が来ない場合には、信号を無視して横断を開始する割合が増えるという傾向が見受けられ、信号無視による交通事故の被害が大きくなることを懸念したものです(300台毎時間=12秒に1台)。ピーク時であっても守られない信号機は、終日守られない信号機となり、児童の教育にも好ましくありません」

 と書かれているので、夜間12秒以上車両が来ない場所の信号は、点滅信号を導入している可能性が高いといえるだろう。

 一方で、点滅信号が運用されている交差点では、比較的出合い頭事故が多く発生していることもわかっており、点滅式信号に変わり、一時停止の標識に切り替えていく動きも全国的に増えてきている。

 一応確認しておくと、赤色点滅信号は「一時停止」。黄色点滅信号は「歩行者及び車両等は、他の交通に注意して進行することができること」という意味。

 これを守らないと、「信号無視(点滅)違反」で、違反点数2点、反則金7000円(普通車)が課せられるので甘く見ないようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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