たった1年でマイクロBEVが大流行! インドネシアで感じた日本メーカーにはない中国メーカーのBEVの「売り方」の上手さ (2/2ページ)

BEVの普及でインドネシアの街なかも様変わりしつつある

 後日ジャカルタ市内を歩いていたとき、路上駐車しているエアEVのフロント部分には世界的に有名なワンコのキャラクターのステッカーが貼ってあり、車内には日本の若い女性のクルマにありがちなたくさんのアクセサリーが装着されていた。ここ7年ほどインドネシアにはほぼ毎年訪れているが、このようなかわいさを強調したクルマを街なかで見るのは大変珍しいと感じた。

 同時期に、韓国ヒョンデもインドネシア現地生産モデルのBEVとなるアイオニック5を発売しているが、こちらは男性ユーザーメインであり、BEVだからという理由で購入しているようだと前出のZ氏は語ってくれた。

 GIIAS2023(今年開催のGIIAS)では、中国系のDFSK(東風小康汽車)がエアEVのライバルともいえるマイクロBEVのセレスE1の価格を会場で発表している。Z氏は「エアEVほどのひねりを感じない」と述べた。ウーリンは、狙ったかどうかは別として、買ってみたらBEVだったという売り方で、BEVだからと構えてしまいそうな消費者も取り込んだ。しかし、DFSKのモデルは、Z氏の“ひねりが足りない”とのコメントどおり、従来のクルマのイメージを引きずった、「小さいBEVですよ」とのアピールを強く感じてしまう。

 日本におけるサクラや三菱eKクロスEVも軽自動車規格のBEVを全面に打ち出しており、やはり中国メーカー(どこでもというわけでもないが)は売り方でもBEVに慣れているイメージを強く受けた。果たして、BEV分野で大きく出遅れている日本メーカーは、ハード面だけでなくセールスプロモーション面でも挽回できるのかと不安を覚えてしまった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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