アメリカで「ミニバン」とはダッジの”このモデル”だった! 日本でも大ブームとなったアメ車「ダッジ・キャラバン」を振り返る (2/2ページ)

ミニバン以後のダッジとミニバン以前のダッジ

ジャーニー(Journey)/2008年

 標準ボディを備えるキャラバンがロングボディのグランドキャラバンへ一本化されることになり、その後継モデルとなったのがジャーニー。

※写真は2018年モデル

 ジャーニーは3列シートを備えた7人乗り(2列シート5人乗りも用意)ではあるものの、そのコンセプトはミニバンとSUVとのクロスオーバー。日本でも一時期、ダッジJCとして正規販売されていました。

 パワーユニットは2.4リッター直4と、2.7リッターと3.6リッターの2種類のV6エンジンをラインアップ。

 ありそうでなかったミニバンとSUVのクロスオーバーだったジャーニーですが、キャラバンほどの人気を集めることができず、現在は北米市場ではブランドが消滅。中国市場で販売されているジャーニーはミニバンらしさが消えた“ただ”のSUVとなっています。

ダッジミニバンの源流

A100(1964年)

 フォルクスワーゲン・タイプ2が北米市場で人気を集めるなか、ダッジが市場に投入したのがA100。商用バンとともに乗用ワゴンをラインアップし、若者を中心に人気を集めました。

 パワーユニットは2.8リッター直6エンジンをはじめ、後に5.2リッターV8エンジンを追加しています。

 同車をベースにキャンピングカーへ仕立てるなどカスタムカーのベースとしても人気を集め、1970年に後継モデルへバトンタッチしました。

ダッジとは

 カナダで設立された自動車販売会社が源流のダッジ。自動車販売以外にもパーツの設計・販売を行っていましたが、1914年から自動車生産を開始。第一次世界大戦後は主に商用車の生産を行っていました。

 1928年にクライスラーへ売却されたダッジは商用車以外の乗用車生産も開始。1960年代に流行したマッスルカーブームに乗り、チャージャーやチャレンジャーといった人気モデルを生み出すことになりました。

 現在はステランティスの傘下でチャージャーやチャレンジャーなど、アメリカンマッスルカーを中心にラインアップ。ただ、今回のテーマとなるミニバンは現在販売されていません。

まとめ

 マッスルカーのイメージが強いダッジですが、今回紹介したようにミニバンという新たなジャンルを生み出したメーカーでもあります。

 ステランティスの傘下となったいま、尖ったモデルを販売するブランドとして展開しているダッジ。今後、ミニバンを販売することはもうないかもしれませんが、ダッジが生み出したミニバンというジャンルがいまだに人気を集めていることを忘れてはなりません。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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