5.2リッターのV8はスーパーチャージャー付きで800馬力
フロントに搭載されるエンジンは、5.2リッターのV型8気筒スーパーチャージャー。開発ドライバーはフォードパフォーマンスのジョーイ・ハイドと、マルチマティックのハリー・ティンクネルがその役を担っており、現在の段階では800馬力オーバーの最高出力が得られているという。マスタングとしては初のドライサンプシステムが導入されていることなど、新開発エンジンとしての特徴も数多い。
ほぼ50:50という理想的な前後重量配分を実現するために、リヤに搭載されたミッションは8速のデュアルクラッチ方式。マルチリンク方式のリヤセミアクティブサスペンション、8速のミッションを含めたトランスアクスルの冷却を担うクーリングシステムなどを搭載するために、トランクルームは存在せず、リヤには専用のカバーが装備された。
ちなみにフロントのV8エンジンとミッションを連結するのは、カーボンファイバーのドライブシャフト。軽量化への取り組みはまさに限界といえるまでに徹底しているのだ。
サーキットからオンロードへと送り込まれるマスタングGTD。その最終的な目的は、サーキットではIMSAやル・マン24時間での誇るべきリザルト。そしてそのパフォーマンスをそのままオンロードでカスタマーに経験してもらうことにある。
注目の価格は30万ドル(邦貨換算約4350万円)とされているが、ヨーロッパブランドのスーパースポーツと比較すれば、そのコストパフォーマンスの高さは歴然。当然のことながらアメリカ本国では高い人気を誇ることになるだろう。2024年、もっともそのデリバリーが待ち望まれる一台といえそうだ。