「オラ顔」こそ正義! 新型セレナ登場もやっぱりヴォクシーなインドネシアのミニバン戦争 (2/2ページ)

新型ヴォクシーのイカつ顔が受け入れられた!?

 新型ヴォクシーが日本国内でデビューしたときは、その顔つきに対し「さすがに今回はやりすぎでは」といった声も多く聞かれたが、インドネシア市場では、「先代よりエッジがきいている」ということで、人気がより高まったのかもしれない。

 ヴォクシーのインドネシアでの価格は5億9900万ルピア(約570万円)。人気の高いアルファードの半額以下なので、購入層は被っていないようだ。

 サイズの手ごろなヴォクシーのようなミニバンとなると、トヨタではほかに「キジャン・イノーバ・ゼニクス(以下キジャン)」がある。こちらは新興国向けモデルとなり、インドネシア国内で生産されている。価格はガソリン車の上級グレードで4億7360万ルピア(約457万円)。キジャンは後席ドアもヒンジ式となるので、ヴォクシーとはキャラクターが異なるし、社用車ニーズも高い。

 600万円ぐらいの新車購入を検討しているのだから、中産階級以上、つまり比較的裕福な人たちが多いので、国内生産で新興国向けモデルよりも、日本で生産され輸入販売されるミニバンというものに魅力を感じているのかもしれない。

 キジャンにはハイブリッドユニット搭載モデルがあるのに対し、ヴォクシーはガソリン車のみが輸入販売されている。この辺りは「ハイブリッドの欲しい人はキジャンへ」という流れを作って、過度にヴォクシーに流れるのを防いでいる一面もあるのかもしれない。

 今回開催されたGIIAS2023(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023)では、日産が新型セレナのe-POWERユニット搭載車をインドネシアで初披露した。

※写真は日本仕様

 日本での先代セレナはインドネシアでも販売されているが、こちらはe-POWERはラインアップされていない。ただ、新型に関してはインドネシア国内でもe-POWER仕様が発売になるとの報道もある。e-POWERでヴォクシーに差をつけ、販売増を狙うことができるのか、その前に顔つきで考えると、ヴォクシーが圧倒的に有利なだけに勝負は見えているようにも感じる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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