モータースポーツシーンでも大活躍! 全モデルがいまでも大人気なBMW 3シリーズの歴代クーペモデルを振り返る (2/2ページ)

唯一のV8エンジン搭載のM3も生まれた

E46型(4代目/1998年)

 BMWの基幹モデルへと成長した3シリーズは、1998年に4代目が登場。セダンが主力となっていたこともあり、先に4ドアセダン、2000年に2ドアクーペ(カブリオレとステーションワゴンも)がデビューしています。

 4代目はボディを拡大し、クーペも含め全モデルが3ナンバーサイズを採用。より丸みを帯びたスタイリングへ変更されました。

 3シリーズのハイパフォーマンスモデル、M3は4代目にも設定。クーペとカブリオレのみとなったM3には、新開発の3.2リッター直6を搭載し、ボンネットやサスペンションにアルミ素材を用いることなどで軽量化も図られました。

 2003年にはカーボンルーフトップなどを装備し、さらなる軽量化を図ったM3 CSLを追加。エンジンは360馬力にまで高められています。

 また、4代目にも用意された3ドアハッチバックは、2004年に1シリーズへと移行する形でラインアップ落ちしました。

E90型(5代目/2005年)

 現在も続く3シリーズですが、クーペがラインアップされた最後のモデルとなるのが5代目。2005年にデビューした5代目は、まずセダンとステーションワゴンを先に販売開始し、クーペと可動式ハードトップとなったカブリオレが2006年に追加されています。

 走行性能が高いことで人気の3シリーズでしたが、時代の要望から燃費向上を図るためアイドリングストップ機構やブレーキ回生システムを採用。とはいえ、歴代モデル同様に直6エンジンはラインアップされました。

 また、ハイパフォーマンスモデルのM3には4リッターV8エンジンを搭載。最高出力420馬力を発揮するV8エンジンにはエネルギー回生システムも装備され効率化が図られています。

 そのM3にはクーペ、カブリオレとともに再び4ドアモデルを設定。2008年にはM3のクーペとカブリオレにはボディを軽量化し4.4リッターV8エンジン(最高出力450馬力)を搭載したM3 GTSが追加されました。

 3シリーズクーペは6代目へモデルチェンジする際、4シリーズとして独立。2ドアのみでスタートした3シリーズクーペの歴史は5代目で幕を閉じました。

3シリーズクーペの源流

2002ターボ(1973)

 3シリーズ登場以前、BMWの小型クーペといえば02シリーズと呼ばれた2ドアクーペ(2ドアセダン)でした。

 4ドアセダン1500シリーズ(ノイエ・クラッセ/後に5シリーズへ発展)をベースに開発された02シリーズは1966年にデビュー。

 ボディサイズを1500シリーズからコンパクトにし、1.7リッター直4エンジンを搭載して登場した02シリーズは、1.8リッター直4、2リッター直4エンジン搭載車を追加していきます。

 なかでも2リッターエンジンを搭載した2002には、ツーリングカー選手権に向けた2002ターボを1973年に発表。

 量産車初のターボチャージャーを搭載した2002ターボは最高出力170馬力を発揮し、ワイドタイヤを装着するためオーバーフェンダーやエアロスポイラーを装備するなど、見た目の迫力が大きく増しています。

 2002でとくに印象的だったのが逆文字にプリントされた「turbo」のステッカー。先行車のミラーにターボモデルであることを強くアピールする演出は、その後のターボ車に逆文字ステッカーが装着される流行を生みました。

まとめ

 現在は4シリーズとして独立したBMWのコンパクトクーペは、実用性が高いセダンだけでなく、クーペやクーペをベースとしたカブリオレも人気を集めたモデルでした。

 歴代モデルを振り返ると、いずれも魅力的なモデルばかり。世界的にクーペの人気は以前と比べると高くはないですが、セダンにはない多くの魅力を備えていることを、3シリーズクーペを振り返ったことであらためて認識しました。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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