この記事をまとめると
■BMW3シリーズクーペの歴代モデルを振り返る
■いまでは3シリーズはセダン&ワゴンだが、もともとはクーペスタイルで登場した
■2代目モデルは「六本木のカローラ」と持て囃され、日本にBMWを浸透させた
BMW永遠のスタンダード「3シリーズ」の歴史
数あるBMWのラインアップのなかで、3シリーズは主力モデルのひとつ。セダンが主役のシリーズではありますが、もともと3シリーズは2ドアのみで登場したことはご存知でしょうか。
現在は3シリーズには存在しませんが、今回は初代から5代目までラインアップされていた2ドアクーペを振り返っていきましょう。
E21型(初代/1975年)
北米市場をはじめ世界的に人気を博した2ドアクーペ、02シリーズの後継として1975年にデビューしたのが初代3シリーズ。02シリーズのイメージを踏襲したスタイリングを採用していましたが、ボディは拡大されています。
デビュー時は直4エンジンを搭載した316、318、320ならびに機械式インジェクションを装備した320iをラインアップ。ただし、1977年に直6エンジン搭載の320、323が追加されました。
標準グレードのヘッドランプは丸目1灯でしたが、320以上の上級グレードには4灯ヘッドライトを装着。ボディは2ドアのみをラインアップしていたものの、02シリーズには設定されなかったカブリオレが用意されていたことも話題とななりました。
ただ、カブリオレのトップ着脱方法は、着脱式ルーフパネルと後部ソフトトップが組み合わされる個性的なものでした。
初代のホットモデルは2.3リッター直6エンジンを搭載した323i。最高出力143馬力を発揮する直6エンジンがキレの良い走りを実現し、高い人気を集めました。
E30型(2代目/1982年)
1982年に登場した2代目は、3シリーズの名を大きく広めたモデルとなりました。
日本でも「六本木のカローラ」などと呼ばれた2代目のスタイリングは、初代のイメージを残しつつも、やや丸みを帯びたフォルムにチェンジ。初代はグレードにより異なっていたヘッドランプの個数は全グレードが4灯に変更されています。
2ドアのみでデビューした2代目でしたが1983年に4ドアモデルを追加。その後、カブリオレやステーションワゴンも追加され、バリエーションが豊富になりました。
パワーユニットも初代同様、直4エンジンと直6エンジンを用意したほか、アメリカ市場の排ガス規制に対応すべく開発された2.7リッター直6イータエンジンを新たに搭載。
イータエンジンは回転数をおさえて燃費と排ガス規制に対応するものでしたが、スポーティなイメージが強いBMWらしくないと一部のファンからは酷評されました。
一方、2ドアクーペにはM3を初めて設定。当時、人気を集めたツーリングカー選手権に参戦し活躍したことで3シリーズクーペの評価を高めています。
E36型(3代目/1990年)
初代、2代目とは大きく印象が異なる流麗なデザインが与えられた3代目が1990年に登場。2ドアクーペ、4ドアセダン、ステーションワゴンに加えて3ドアハッチバックが初めてラインアップされました。
2ドアクーペをベースにしたカブリオレは先代までの脱着式ルーフトップから一般的なソフトトップへと変更。2ドアクーペも、実用性が高いセダンやステーションワゴンが設定されていることで、初代、2代目よりスポーティなイメージを強調しています。
3シリーズクーペのイメージリーダーとなったM3も引き続き設定。先代とは異なり、エンジンは最高出力286馬力の直6エンジンを搭載し、パフォーマンスが大きく向上しました。
M3は1995年に最高出力321馬力を発揮する3.2リッター直6エンジンに換装。翌年にはセミAT搭載車が追加されています。
また、カブリオレやセダンにもM3を設定したことも大きなトピックスでした。