最速PD規格の恩恵は多くのクルマで享受できる
最新のハイエンドミニバン、トヨタ・アルファードのUSBポートにPD規格を期待したが、調べてみると非PD規格のUSB type-Cだった。国産自動車メーカーが用意しているとすれば、ホンダの純正アクセサリーにあるUSB PDチャージャー(最大45W、1万2100円/取り付けアタッチメント込み)ぐらいしか思い浮かばない……。クルマ用のUSB PD規格はまだまだ遅れているのが現状だ。
でも、じつはPD規格最大出力20~65WのUSB type-Cと、PD規格に対応したケーブルの組み合わせによる爆速充電は多くのクルマで可能なのだ。クルマに12Vアクセサリーソケット(昔で言うシガーソケット)が付いていれば、である。
たとえば、セイワの「D615 DC-USBプラグA+C PD20W C/A to Cケーブルセット」がある。USB type-CとUSB type-Aポートを備えた亜鉛合金ボディのDC-USBプラグA+C PD20Wと、1.2mの高品質ナイロン皮膜ケーブル(USB type-C/Aに対応)がセットになっている車内急速充電アイテムで、「DC-USBプラグA+C PD20W」を12Vアクセサリーソケットに挿すだけで、PD規格のUSB type-Cポートが使えるようになる。
iPhone13を純正ケーブルで充電した例では、バッテリー0%から50%充電まで約30分で可能と説明されるのだから、まさしく爆速だ。2時間程度のドライブなら、フル充電も可能になる。
すでに高品質な充電ケーブルを持っているというなら、セイワの「F340 DCパワープラグC+A PD30W」との併用を薦める。こちらはPD30W(!)のパワープラグ単体だが、7セグ表示の液晶デイスプレーを搭載し、通電するとバッテリーの電圧値を表示し、バッテリーの状態を常時確認でき(バッテリーメンテナンスに有効)、USBケーブルでスマートフォンなどの端末を充電すると、電流値が表示され、充電スピードを知ることができるのだ。
「なるほど、そうしたアイテムを使えば、スマホをより早く充電できることは分かった。が、しかし、愛車の12Vアクセサリーソケットはすでにほかの機器用に埋まっている」という人も心配はいらない。クルマに用意された12Vアクセサリーソケットに、例えばセイワの「F316 フィットコードソケット3」のような、アクセサリーソケットに接続する3連ソケットを使えば解決する。
実際、筆者もそうしてセイワの「F340 DCパワープラグC+A PD30W」と、最大USB PD 60Wでの急速充電が可能なセイワの「D623 180 USBケーブルC to C」を組み合わせて使っている。
ちなみに「D623 180 USBケーブルC to C」は、片方のUSB type-Cプラグが180度回転するため、横向きの使用やトレイに置いての充電にも適している。
こうして、PD規格のUSB type-CポートとPD規格対応のケーブルを使えば、スマホを車内でもスピーディにフル充電することができるというわけだ。停電時にも役立つこと請け合いである。
と、ここまではスマホの充電の話だが、AC100V/1500Wコンセントを備えたハイブリッド、PHEV、BEVモデルでしか充電できなかったノートPC充電も、PD規格を使えば車内での充電が可能になる(PC側がPD規格対応のポートを持っている場合)。12Vアクセサリーソケットに挿すセイワの「F344 DCパワープラグC+A PD65W」などを使えば、PD規格65Wの出力だから、たいていのノートPCに対応してくれるのだ。
とにもかくにも、スマホを車内で素早く充電したいのであれば、USB type-C PD(パワーデリバリー)をPD対応ケーブルとともに用いる……と覚えておいてほしい。