世界最強ミニバンのアルファードに忍び寄る影! ヒョンデ・スターリアがじわり人気を獲得していた (2/2ページ)

ミニバン市場でも韓国車がライバルに

 さらに、「アルファード離れ」が目立ってきた理由が、韓国ヒョンデ・スターリアの大ヒットである。スターリアは、アルファード同様にフルサイズミニバンとなる。しかし、アルファードのようなギラギラ感は微塵もなく、コンセプトカーをそのまま市販車にしたような、どちらかというと、トヨタ・エスティマに近いキャラクターを持つモデルとなっている。

 スターリアがタイ市場でデビューすると、バンコク首都圏を中心にいきなり大ブレイクした。少々アルファードに飽きていた富裕層が増車という形で購入し、アルファードと併用するケースもあるようだが、バンコク首都圏の感度の良い富裕層がスターリアに飛びついたのである。

 それではインドネシアでも同様の傾向になっているのだろうか。インドネシアでもヒョンデはスターリアをラインアップしているが、ジャカルタ中心部の目抜き通りで街角ウォッチングしてもスターリアを見かけることは少ない。これについて事情通は、「東南アジアでは押しの強い顔つきなどが好まれますが、インドネシアではとくにその傾向が強いのです」と現地事情通は語ってくれた。

 ただ、スターリアをそのままダウンサイジングしたようなコンパクトMPVとなる「スターゲイザー」は、ジャカルタ首都圏で見る限りでは大ヒットしており、所得階層別でみると若干温度差もあるようだが、富裕層に限ってみればギラギラ顔はいまだに大好きなようである。

 タイ市場では、中国系メーカーがBEV(バッテリー電気自動車)という必殺技を備えた、アルファード対抗とも思えるフルサイズミニバンをオートショー会場に相次いで参考出品している。自動車市場の成熟度ではインドネシアに先行するタイでは、とくにバンコク首都圏では新興ブランドのBEVというものが注目されやすいのである。

 タイでは少々不安要素もある新型アルファードだが、インドネシアではハイブリッドユニットを搭載していることもあり、とくに富裕層は押しの強い顔つきを好む。さらにタイにおけるスターリアのような気になるモデルもいないので、引き続き新型はよく売れるのではないかと考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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