複数のカセットテープを装填できる装備もあった!
さらに時代を遡れば、「CDオートチェンジャー」というものも隆盛を極めた。音楽再生=CDが最先端だったころ(MDというものもあったが)、聞き終わるたびにCDをデッキから入れかえる手間を省くため、かなり大きな箱状のCDオートチェンジャーに、複数枚のCDを差した専用のカセットを本体にセットしておくと、走行中でも手を煩わせずにディスクチェンジができたというもの。
有線ケーブルまたはFMトランスミッターなどを使うことで、インパネのデッキに接続し、トランクにオートチェンジャーを置くのが一般的であった。とても便利なものであったのだが、撮影用にいろいろな新車をメーカーなどから借りていると、CDをカセットに差したまま車両返却してしまい、CDだけ後で取りに行くということもあった。
また、さらに時代を遡れば、7代目日産スカイラインや2代目日産レパードでは、センターコンソールボックスに複数のカセットテープを装填して、CDオートチェンジャーのように使うことのできる「オートカセットセレクター」なるものまで存在していた。
「ドライブ=音楽」は令和のいまでも切っても切れない存在。ただ、車内での音楽の楽しみ方は文明の進化とともにスペースをとらないだけでなく、持ち運びも簡単なものとなっている。
いまやスマホがあれば海外でレンタカーを借りてもすぐにお気に入りの音楽を再生できる時代となった。筆者はまだそこまで歳をとってはいないが長生きはするものだとついつい感心してしまった。