値段が上がっても追加装備は価格以上!
もちろん、それ以外のグレードはそのままというわけではない。
スポーツアピアランスについては、CX-8で採用された縦基調ブロックメッシュパターンのフロントグリルが新採用され、ボーズサウンドシステムが標準装備となった。
フロントシートにベンチレーション機能が追加されたのも見逃せない。クリーンディーゼルを積むXDスポーツアピアランスのメーカー希望小売価格は、従来の366万9600円から390万600円(FF)と大幅に価格上昇しているが、サウンドシステムとシートベンチレーションの採用を考えれば妥当だ。
なお、エグゼクティブモードも縦基調のフロントグリルや高輝度ダーク塗装の19インチアルミホイールなどを新採用している。
フィールドジャーニーは、従来の明るいイメージのインテリアを上質感のあるものへとカラーチェンジ。フロントグリルのカラーコーディネートも大人びたものへと変更している。カジュアルなSUVから上級シフトしたといえるだろう。
スマートエディションとブラックトーンエディションについては、内外装の変更はないが、従来はオプション扱いだった地上デジタルチューナー(フルセグ)を全グレードに標準装備化。スマートエディションにはスマートキーも標準装備となった。ブラックトーンエディションでは、パワーリフトゲートや10.25インチセンターディスプレイなどが標準装備となっている。
今回の商品改良により、CX-5は平均9万2000円の値上げとなっている。しかし、追加装備された機能を計算すると、スマートエディションで8万8000円、ブラックトーンエディションで13万9000円、フィールドジャーニーでは16万1000円相当になるというから、単なる値上げではなく装備追加による価格改定という部分もありそうだ。
こうして標準装備を増やして、メーカーオプションをBOSEサウンドシステムとガラスサンルーフの2アイテムだけに絞ったのは、けっしてCX-5の価格を上げようと狙っているからではないという。さまざななコストアップ要因に対応するためにはバリエーションを絞る必要があり、そのために各グレードでユーザーが満足いくよう完成度を上げた結果といえる。
残念なのは、バリエーションを絞っていくなかで、MTを残せなかったことだろう。マツダによれば、今後は基本的にSUVモデルからはMTの設定がなくなっていくという。MTの販売台数自体は非常に少なく、MTの設定を残すことは合理的でないのは理解できるが、マツダのSUVにスポーティなイメージがあるのは、MTを選べるという点にあったことも貢献していたと思うが、ユーザーやファンはこの点についてどのように思うのだろうか。