ポルシェ911に乗らずに死ねるか! とはいうものの「グレードだらけ」の911は何をどう選ぶのが正解? (2/2ページ)

特殊なモデルをゲットするには情報網も重要

911GT3

 992になった頃、いや水冷化したときから「911は太った」とか「911らしさが減った」などなど、空冷原理主義者はことあるごとに減らず口を叩いてきたかと。ですが、996にGT3というヴァイザッハ渾身のスポーツモデルが登場した際、そうしたやっかみは一瞬にして静まったものです。

 当時の新たな格式だったGTカテゴリ3からの命名は、すなわちRS(レンシュポルト)にとって代わるもので(のちにたびたび復活していますけどねw)水冷911に対するポルシェの本気がようやく出てきたと、口さがない連中もいくらか縮こまったかと。

 ごくストレートに見れば、GT3モデルを購入する人はサーキット走行をはじめとした「ガチで走ること」を視野に入れていると思われ。また、一方では、「911=スポーティ」ならば、トップグレードってやつに手を出してみようか、といった意識先行型も少なくないように思われます。

 前者はまっとうな「911使い」だとしても、後者の場合「なんだか乗り心地がゴワついてない?」なんて助手席からクレームがついたりすると「やっぱ、オレに向いてないかも」と、その足でアストンマーティンとかに行っちゃいそう。

 中古車市場でGT3を探すとバリバリのサーキット走行車か、じつに程度のいいバリ物か極端にわかれているのはそんな理由が潜んでいるのではないでしょうか。

911ダカール、S/Tなど

 911のラインアップ中「技もの」とか「役付き」などと呼ばれるスペシャルパッケージ(Sondermodelle/ゾンダーモデル:特別仕様車)は、オススメするとしたら上述のターボに飽き足らない人や、GT3の延長線上にある特別感に興味がある人というのがセオリー。また、昔からこの手のモデルは生粋のポルシェマニアの手に渡ることが多いことも事実でしょう。

 だいたいオーナーズクラブの会長だったり、「あの人はヴァイザッハ生まれのはずなのに、やけに日本語が上手だよね」などといわれるくらいドイツ、ポルシェ、ヴァイザッハに染まっている方々。ちなみに、こういう方々は役付きを手に入れると生涯手放さないか、いい買い手が見つかるとあっさり手放すタイプの半々な気がします。

 この「いい買い手」に事欠かないのが役付き911の特徴にほかなりません。希少価値はもちろん、911という盤石なモデルですからマニアでなくとも「将来値上がり間違いなし」なんて吹き込まれたら、退職金をブチ込む気持ちもわからないではありません。

 なので、骨の髄から911が好きな人、加えて投機目的の人は役付き情報をそれこそ自動車雑誌の編集部員なみにキャッチすることを強くオススメいたします。なんだったら、年に2回くらい本国ポルシェのカスタマーセンター詣でをするとか、手っ取り早くドイツのスクープ雑誌を定期購読するのも有効でしょう。

 なに? 性能ですと? ポルシェは昔から自分でいってるじゃありませんか「最新が最高のポルシェ」とかなんとかね(笑)。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報