Ⅶからは電子制御だらけのハイテクマシンに
第三世代
2000年にランサーシリーズがフルモデルチェンジし、ベース車両がランサーセディアに。
CTランサー最初のエボ、エボVII(CT9A)は2001年のデビュー。
ひとまわり大きな骨格を手に入れ、新設計のボディで曲げ剛性が約50%向上。ワイドトレッド・ロングホイールベースに合わせて、足まわりをチューニング。バンプストロークも前後15mm/10mm増大させた。
EBD付スポーツABS、235/45の17インチのタイヤも大きなアップデートとなったが、何よりの進化はセンターデフがACDになったこと。ランエボのACD+AYC+スポーツABSの統合制御システムがここで出揃ったわけだ。
また、エボVIIでは、グランドエフェクトを活用するための大型アンダーカバーを装着。駆動系やブレーキを冷却するためのエアガイドも工夫されている。
2003年登場のエボVIIIは、エンジンの耐久性アップとともに、最大トルクを40kg-mまで向上。AYCは後輪左右のトルク移動量を2倍にしたスーパーAYCに進化。6速MTや世界初の全面(水平翼・垂直翼)CFRPリヤスポイラーも装着。
エボVIII MRになると国産量産車初のアルミ製ルーフパネルを投入。ボルテックスジェネレーターもオプションで用意された。ダンパーもビルシュタインの専用開発品だ。
そして4G63を積む最後のランエボ、エボIX。
CTエボの集大成で、エンジンは可変バルブタイミング機構を持ったMIVECターボへ。ターボもコンプレッサーホイールはマグネシウム合金、タービンホイールはチタンアルミ合金となり、レスポンスは比類なきものに。
空力チューンも進み、フロントバンパーエクステンションとリヤのガーニーフラップの組み合わせなどにより、ゼロリフトを達成。
このエボIXにはランエボ初のワゴン、ランサーエボリューションワゴンも加わった。
第四世代
最後のランエボ、エボX(CZ4A)は2007年の発表、発売。
しかし、ランサーエボリューションといいつつ、ベースはギャランフォルティスだったりする……(北米輸出名はランサーであった)。
CTエボに比べ、かなりボディが大きくなったように思うかもしれないが、じつは全長+5mm、車幅+40mm、ホイールベース+25mmしか変わっていない。
ただし、車重はエボⅨ GSRに対し、約100kgも重たくなっている。
その代わり、ねじり剛性は39%、曲げ剛性は64%と、高剛性ボディを手に入れているのが特徴。
そしてプラットフォームとともに、大きく変わったのがエンジン。鋳鉄ブロックの4G63から、新開発のオールアルミブロック4B11型に変更。最高出力は同じ280馬力でデビューしたが、トルクは422Nm(43kgm)と強力に。
そして、4WDシステムも4輪すべてを総合制御する車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用。
また、5速MT車のほかに、DCTの「SST」(6速)がラインアップされていた。