この記事をまとめると
■ランドクルーザー70は3度目の国内販売となる
■2014年の復活時は「1ナンバー」だったが今回は「3ナンバー」へと変更されている
■その理由を前回導入された際のエピソードとともに解説
基本は変わらないが乗用車登録できるクルマへと進化している!
2023年8月には、新型ランドクルーザー250の発表と併せて、ランドクルーザー70が国内販売を再開することも明らかになった。販売店によると、「ランドクルーザー250の発売は2024年5月頃だが、ランドクルーザー70は2023年の10〜12月になりそう」と言う。
ランドクルーザー70は、新型のランドクルーザー250とはまったく違うクルマだ。70シリーズが国内で発売されたのは1984年に遡る。つまり、約40年間にわたりフルモデルチェンジを受けていない。1984年当時はバンのみだったが、のちに3ドアのワゴンを加え、1990年には5ドアのワゴンも初代ランドクルーザープラドとして用意された。その後にランドクルーザープラドは70シリーズから離れて進化しており、70シリーズは再びバンに絞られたあと、2004年に国内販売を終えた。
しかし、海外では販売が続けられ、2014年8月になると「2015年6月30日の生産分まで」という期間限定で、国内販売を一時的に再開した。このときに復活した70シリーズは、1ナンバーで登録される商用車規格で、ボディはバンのほかに日本では初めて販売されるダブルキャブのピックアップトラックもあった。エンジンは両ボディに、V型6気筒4リッターガソリンのみを搭載した。
2014年の時点で、なぜ70シリーズの国内販売を復活させたかを開発者に尋ねると、以下のように返答された。
「2014年は70シリーズの生誕30周年で、いまでも愛用しているお客さまが多い。販売を望む声も聞かれるために復活させる」
ただし、商用車の規格にも適合しなくなる事情があるため期間限定とした。要は、日本で継続的に長く販売することは不可能なクルマであった。
それが、いまの海外で売られる70シリーズは、信頼性の高い悪路走破力を保ちながら、横滑り防止装置を装着するなど安全面でも進化させている。さらに、2023年10〜12月頃に国内で復活する70シリーズは、1GD-FTV型クリーンディーゼルターボエンジンを搭載する。このエンジンは従来型のランドクルーザープラドやグランエースにも採用されており、設計の古いメカニズムではない。
このように国内販売を再開する70シリーズは、エンジンから安全装備まで、最新の技術を身に付けた。70シリーズは、悪路で立ち往生すると、乗員の生命を脅かすような過酷な地域でも使われる。したがって、悪路走破力に関しては、信頼性の高い70シリーズの機能と性能を踏襲するが、安全性能や環境性能は、今日の新車として遜色のない水準まで進化させた。そのために、毎年車検を受ける商用車規格で登録する必要もなくなり、3ナンバー登録のワゴンに発展させるのだ。