免許取得は狭き門!? 4輪普通免許で「75%」原付免許はなんと「60%」の合格率って日本は大丈夫か? (2/2ページ)

最難関の免許試験は第二種牽引で合格率21.7%

 それはともかく、同統計における合格率をワーストで並べると意外な事実が浮かびあがってきた。

●第一種免許 合格率ワースト5
小型特殊:60.6%(1728人)
原付:61.4%(16万5197人)
小型二輪AT限定:71.8%(4万385人)
大型二輪AT限定:73.7%(247人)
普通四輪AT限定:74.1%(85万7153人)
※()内は受験者数

 大型二輪AT限定については母数が247人と他の免許よりも格段に少ないため、統計的には横並びで比較するのは適切といえないかもしれないが、いずれにしてもAT限定免許は合格率が低い傾向にあるようだ。なお、小型二輪は全体としても74.0%と合格率が低いが、それは小型二輪の試験受験者の8割程度がAT限定である影響といえる。

 それにしても驚くのは、小型特殊や原付の合格率の低さ。以下の合格率ベスト5で示すように中大型免許では軒並み100%近い合格率となっていることを考えると、原付や小型特殊の6割程度の合格率というのは衝撃的だ。

●第一種免許 合格率ベスト5
中型:99.2%(19万6880人)
大型:95.0%(6万7752人)
準中型:90.4%(12万5010人)
大型二輪:89.4%(10万8306人)
大型特殊:86.7%(7万480人)
※()内は受験者数

 もっとも、小型特殊や原付の合格率が低いのは、いずれも自動車学校などに通うことなく、問題集などを自主勉強して受験に臨むことが多いからであって、取得のハードル自体が高いというわけではない。むしろ運転免許としては簡単な部類であって、ある意味”なめてかかっている”受験者が多いゆえの低合格率といえるだろう。

 本当に運転免許のなかで難しいといえるのは、お金をもらって人を運ぶ「旅客運送」のために必要な二種免許だ。

●二種免許合格率ワースト5
牽引:21.7%(1800人)
大型特殊:33.7%(1286人)
普通四輪:54.1%(2万4436人)
大型:63.6%(1万324人)
中型:79.3%(1472人)
※()内は受験者数

 こちらの合格率は、全体の平均で55.4%。その中でも合格率が低いのは牽引二種の21.7%だ。平均的にいって5回受験してようやく受かることができるという最難関免許なのである。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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