ネズミにネコにお米まである!
さらに、子どもだけでなく、歴史ファン、日本美術ファンからも羨望を集めそうなのが、岡山県総社市のねずみのシルエットをかたどったナンバープレート。これはただ可愛いというだけでなく、総社市に伝わる逸話「雪舟のねずみ」からとったものなのです。
雪舟といえば、室町時代に活躍した水墨画家。その雪舟が幼い頃に禅の修行をしていたのが、今の総社市にある宝福寺でした。雪舟少年が禅の修行をちっともせず、好きな絵を描いてばかりいることに腹を立てた住職は、少年を柱に縛り付けて反省させようとしたそうです。しばらくして見にいくと、少年の足元に大きなネズミが動き回っているではないですか。これは大変と、住職が追い払おうとしたのですが、不思議なことにまったくネズミは消えない。それもそのはずで、そのネズミは少年がこぼした涙を足の親指につけて、床に描いたものだったそうです。住職はそれ以来、少年が絵を描くのを止めなかったということです。こんな逸話をもとにしたナンバープレートをつけて走れるというのは、とても光栄なことですね。
そしてもう1つ、ネズミといえばネコ、ということでご紹介するのが、青森県三戸町が交付している、大人気絵本『11ぴきのねこ』のキャラクターがとってもかわいいナンバープレート。これは、ほのぼのとしてどこかユーモアのある画風と、独特の語り口で素晴らしい作品を残している絵本作家、馬場のぼるさんの人気シリーズで、ちょっとずるくて欲張りだけど、どこか間が抜けてて憎めない、とらねこ大将と10匹のねこたちの物語です。第1作が1967年に発行されて以来、50年以上にわたって愛されています。馬場さんが青森県三戸町の栄誉町民となったことにちなんで交付されています。
このほかにも、波をかたどった今治市のナンバープレートや、宮城県登米市のお米の形など、たくさんあって楽しい変形ナンバープレート。これからも、欲しくなるような図柄や形が増えるといいですね。