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【試乗】ブレンボが電動制御の新ブレーキシステムを開発! 乗ってみたら「SENSIFY」の可能性が凄かった (1/2ページ)

【試乗】ブレンボが電動制御の新ブレーキシステムを開発! 乗ってみたら「SENSIFY」の可能性が凄かった

この記事をまとめると

■ブレンボがインテリジェントブレーキシステム「SENSIFY」をお披露目

■従来の油圧制御ではなく電子制御のブレーキシステムとなっている

■油圧制御より緻密な制御が可能で、さまざまな車種に搭載することができる

ブレンボが最新のブレーキシステムをお披露目

 8月2日、ハイパフォーマンスブレーキメーカーとして知られるブレンボが新世代自動車向けインテリジェントブレーキシステム『SENSIFY(以下:センシファイ)』を日本向けに発表。あわせて試乗会が行われた。

 ブレンボが発表したセンシファイとは、ブレンボ社が長年作り熟成を重ねてきたブレーキキャリパー、ブレーキローター、ブレーキパッドなどのハードウエアとしてのブレーキシステムをブレーキバイワイヤー化。独自に開発したAIシステムを組み合わせることで作り上げた新世代の電子制御ブレーキシステムだ。

 現代の自動車は、ABS、トラクションコントロールから進化したESC(横滑り防止装置)、さらに最近では運転アシスト系の自動ブレーキ制御、EVやハイブリッド車用の回生協調ブレーキなどまで制御できるようになっている。

 今国内でブレーキ制御システムのメーカーとして、ボッシュ、アドヴィックス、コンチネンタルなどが大きなシェアを占めているが、今回ブレンボが発表したのは、簡単に言ってしまえば、前述メーカーが得意とする電子制御ブレーキシステムだ。ただしブレンボでは、単に先行メーカーに追随しているわけではなく、センシファイを従来の制御システムを超える次世代のシステムと位置付けている。

 センシファイを改めて説明しておくと、このシステムはブレーキ・バイ・ワイヤーであり、このバイワイヤーシステムは各ブレーキごとにコンパクトな制御ユニットを持っている。そしてこれをAIを用いた統合制御ユニットでコントロールするシステムだ。

 ブレーキユニットは現在2タイプ用意されている。ひとつは従来のブレーキキャリパーを使うタイプ。油圧駆動ユニットを各輪直近に配置し、そこからキャリパーまで油圧系統がつながっている。ウエットタイプと呼んでいる。油圧を使ったブレーキシステムだが、長いパイプラインを必要とせず、設計の自由度が広いのが特徴で、スポーツカーやハイパフォマンスカー向けのユニットとされている。

 もうひとつはセンシファイの真骨頂ともいえるシステムだ。ドライタイプと呼んでいる。

 ブレーキキャリパーに直接ステップモーターと駆動ギヤを取り付ける構造で、ブレーキペダルからの信号を統合制御ユニットを介してブレーキキャリパー部の駆動部に送られるというもの。

 これはコンパクトカーからEV、スポーツカーにまであらゆるタイプのクルマに搭載可能だという。そして、システムの構造上、ブレーキの引きずりをほぼゼロにすることができるので、ブレーキの引きずりロスを低減することもできるとのこと。キャリパー部に駆動部を取り付けるため、ブレーキレイアウトの設計自由度が高いうえ、軽量で作動レスポンスが良いのが特徴となっている。

 試乗会ではテスラ・モデル3が2台用意されていた。1台は市販のモデル3。ちなみにブレーキユニットは純正でブレンボが採用されている(ESCはボッシュ製)。

 もう1台は前輪にウエット、リヤにドライタイプのセンシファイが組み込まれていた。またABSやESCなどブレーキ制御システムもすべてセンシファイのプログラムで作動するよう改造されていた。

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