この記事をまとめると
■軽自動車は走りも良く装備も充実していて経済性が高いとされている
■じつは軽自動車の燃費自体はコンパクトなリッターカーとそれほど変わらない
■世の中が思っているほど軽自動車の性能が優れているというわけではない
軽自動車は給油量が少ないから1回の支払い金額も少なくて済む
660㏄という小排気量ながら、高速道路もそれほどストレスを感じることなくスイスイ走ることができ、パワーウインドウやパワーステアリング、そしてオートエアコン、さらには自動ブレーキやレーダークルーズコントロールなどの安全運転支援デバイスまで備える日本の軽自動車は、まさに日本車の真骨頂ともいうべきハイスペックを誇っている。そして、ボディサイズが小さくて取りまわしがよく経済性も高いというのだが……。
たとえば、「日本一売れているクルマ」として有名なホンダN-BOXの売れ筋グレードのひとつであるGのNA(自然吸気)エンジン搭載車のWLTCモードでのFF(前輪駆動)の燃費(燃料消費率)は21.2km/Lとなっている。
ただし、走りにそれほどストレスのない軽自動車と前述したものの、660㏄という小排気量エンジンゆえにシグナルダッシュ(信号が青になり加速する際)や加速して追い越しを行うときなど、結構なシチュエーションでアクセルをベタ踏みする機会もあり、実走行燃費では20km/Lを少し割り込む程度ならば、軽自動車の燃費はいいほうという話も少なくない。
筆者も過去に同カテゴリーの軽自動車を複数集めて長距離試乗を行う企画のお手伝いをしたことがあるが、アクセルワークなどに気を使ったエコ走行を意識しない限りは、軽自動車ってそんなに燃費数値自体は良くないんだなという印象を強く持ったことを覚えている。
「軽自動車は経済性が良い」といわれる背景には、給油時の給油量が少なく支払うガソリン代がそれほど高くないことが大きく影響している。