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N-BOXやシビックは3カ月なのにステップWGNはなんで1年? 車種によって納期が大幅に異なるワケ

N-BOXやシビックは3カ月なのにステップWGNはなんで1年? 車種によって納期が大幅に異なるワケ

この記事をまとめると

■新車の納期遅延は解消されつつあるが車種によってばらつきがある

■人気モデルでは1年待ち、軽自動車はだいたい3カ月程度がいまの納期とされている

■理由のひとつに使われる素材の多さなどがあり、全部が半導体不足というわけではない

納期が車種によって大幅に異なる理由とは

 新車の納期は依然として長い。半導体などの供給状況は少しずつ好転しているが、大量の受注を抱えている車種も多いのがその原因だ。当分の間は、溜まった受注車両の生産に費やされるため、新車を注文したときの納期が急速に回復する見込みは乏しい。

 また、納期は車種によっても大きく異なる。たとえばトヨタの販売店では、「アルファード&ヴェルファイア、ランドクルーザー300などは納期が極端に延びて受注を停止したが、ルーミーやカローラセダンのノーマルエンジン車であれば、3〜4カ月で納車できる」という。

 ホンダの販売店では、「N-WGNなどの軽自動車は、基本的に納期が2〜4カ月に収まる。シビックも約3カ月と短いが、ステップワゴンはグレードに応じて1年前後に達する」とのことだ。同じメーカーでも、車種によって納期が大きく変わる。

 納期の違いは同じカテゴリーでも見られる。たとえばミドルサイズミニバンの場合、ヴォクシーハイブリッドの納期は約1年に達する。ステップワゴンも前述のとおりグレードによっては約1年だが、セレナの納期は「e-POWERが約半年、ノーマルエンジンなら2〜3カ月に収まる」という。

 以上のように、同じメーカー、同じカテゴリーでも納期に大きな格差が生じる背景には、もともと計画されていた生産規模、半導体などのパーツや塗料の供給状況、受注台数など、いろいろな事柄が影響を与える。

 メーカーの開発者によると、「納期の遅延に新型コロナウイルスが影響を与えたことは確かだが、よくいわれる半導体の供給だけで、納期が決まるわけではない。塗料や内装の素材なども含めて、さまざまな要素が関係している」という。

 ジムニーの納期遅延はその典型だ。現行ジムニーは、小型車版のシエラを含めて2017年に発売され、この時点では新型コロナウイルスの影響は生じていなかった。それでも納期は早々に約1年に達している。このあとにスズキは、コロナ禍においてジムニーを増産しているが、納期はほとんど縮まっていない。

 その背景にあるのは、ジムニーの需給バランスだ。現行型の直線的なボディスタイルが注目され、SUVの価格が全般的に向上した影響もあり、コンパクトなジムニーの人気を高めた。そのために納期が遅延している。納期の事情は、車種によって異なるわけだ。

 そこを踏まえた上で全般的な傾向をいえば、軽自動車は概して納期が短い。コスト低減のために特殊なパーツやユニットを使いにくく、大量生産を前提に、汎用性の高いものが採用されるからだ。ジムニーのようなメカニズムの独自性が強い車種を除くと、大半の軽自動車の納期は3カ月以内に収まっている。

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