残価設定ローン全盛のこの時代に「現金一括購入」! 「未使用軽中古車」独特の「お得な買い方」とは (2/2ページ)

新車は残価設定ローンがお得だが未使用軽中古車は現金がお得

 現金購入でのメリットは、届け出済み未使用軽中古車を扱う多くの中古車専売店における高い金利のマイカーローンを避けられることにある。販売する業者自身が「ウチは現金で買わないとメリットはあまりない」と話してくる。並んでいる車種もカスタム系モデルのような高額グレードよりも、手ごろな標準タイプが多いのも特徴。

 販売台数の調節弁として自社届け出をするので、価格がそれほど高くない軽自動車だが、そのなかでも、普及仕様で価格もそれほど高くない標準仕様が自社届け出車両として選ばれる特性もあるようだ。ブランド別販売台数競争の調整では、よりコストの安い軽トラック(ノンエアコン、ノンパワステというのもあった)が数多く自社届け出されることもある。

 軽トラックの届け出済み未使用軽中古車などは売れないのかと思いきや、「都市部でも意外なほどよく売れる」との話を聞いたことがある。

 そして、届け出済み未使用軽中古車を扱う業者は、「ローンを組んで購入したいなら、新車ディーラーで新車として購入したほうがいいですよ」とアドバイスしてくるのである。

 現金一括購入がほとんどともいえる届け出済み未使用軽中古車に対し、新車の販売現場では軽自動車でも残価設定ローンを組んで購入する割合が高まっている。届け出済み未使用軽中古車では少なめなカスタム系モデルは、オプション次第では支払総額で300万円近くになることも珍しくない。ちなみに標準タイプではそれほどオプションをつけなくとも、支払総額で200万円を超えることは珍しくない。そのため、ナンバープレートを付けて、少し寝かせて値落ちしている届け出済み未使用中古車は、現金一括購入でメリットが大きくなるのだ。

 ただ、軽自動車で残価設定ローンというのは馴染まないのではないかと考える人もいるだろう。じつは軽自動車の再販価値はかなりよく、そして長期間その傾向が持続するのである。たとえば初回届け出から10年以上経過して走行距離が10万km近い車両でも需要が多いのである。軽自動車は各年式でそれぞれニーズがしっかりあるので再販価値はかなり高く、残価設定ローンに馴染みやすいのである。

 たとえばスズキの残価設定ローンとなる「かえるプラン」では、ローンを利用するとメンテナンスパックが標準付帯される。軽自動車ユーザーは納車後の愛車のメンテナンスをディーラーではなく外部業者に任せるケースが目立つ。ただ、残価設定ローンを組んだ車両は、将来的に販売したディーラーか回収して再販することになるので、スズキではメンテナンスパックを標準付帯し、ディーラーでメンテナンスを行うことで状態管理も行うということらしい。また、スズキでは、スペーシア・ベースなど一部商用車向けのプラン(軽商用車の初回車検は初度届け出から2年後になるので)も用意している。

 完全に棲み分けができているというわけではないが、現金一括なら届け出済み未使用軽中古車、ローンを組むなら新車ディーラーで新車として購入する、このような傾向が軽自動車の販売現場で起きているので、共存ができているともいえるのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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