日本車のシェアが9割にも及ぶ「最後の楽園」で感じた危機! インドネシアのオートショーで存在感が薄くなっている!! (2/2ページ)

インドネシア国外の企業がインフラを支援する可能性もある

 会場では、「インドネシアでBEVといってもそのニーズはジャカルタやその周辺に限った話といっていいでしょう。全インドネシアで見れば、電力供給網の不備や、それに伴う充電インフラの絶対的な不足もあり、まだまだビジネスにはなりません」といった話が日本人の業界関係者からは出ているとのことであったが……。

 インドネシアは人口2.7億人で国民の平均年齢も日本より若い(日本より15歳若い)。1年ぶりにジャカルタを訪れると、空港から直結する高速道路など、多数の新規高速道路が開通しており、ジャカルタ市郊外のショー会場までは、従来に増して格段にアクセスが良くなり、ストレスもなく会場最寄りのホテルに到着することができた。

 つまり、日本と比べれば、物事が進むスピードが格段に速いのである。日本と同様の感覚でインフラの普及スピードを考えていると、気が付くとインドネシア国内の電力供給システムがブラッシュアップされ、国中がBEVに溢れることになるといったことも夢物語では済まなくなるかもしれない。

 街なかの現実世界とショー会場では見える風景が異なるので、「日本車はまだまだ大丈夫」と思いがちだが、「インドネシアは電力供給が追い付かないからBEVは商売にならない」といっているうちに、インドネシア政府の政策実行スピードに中国メーカーがイライラしてしまえば、国営ファンドなどから資金調達して自前でインドネシア国内に充電インフラを整備してしまうかもしれない。

 筆者が初めてインドネシアのオートショーの取材を始めたころに比べれば、明らかに会場内における日本メーカーの存在感は薄らいでいるのは間違いない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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