この記事をまとめると
■日本全国で路線バスの本数が減便している
■主な原因は運転手不足と言われている
■賃金を含めた待遇の改善が急務
路線バスの開通予定が白紙になった例も
日本全国で路線バスの減便が相次いでいる。しかも、過疎地域など地方だけの問題ではなく、首都東京なども例外ではなく減便傾向が顕在化している。筆者が聞いた話では、首都圏のある地域の総合病院が最寄り駅から少々離れた場所に移転したそうだ。地元の人や通院している人は、新たに路線バスが走ったり、最寄駅から病院まで送迎バスが出るものと思っていたのだが、いつまで経ってもバスが走らないままとなりタクシーでの通院を余儀なくされている人が多いようだ。
地元では「当初は路線バスを運行する予定だったようだが、結局ダメになったようだ」との話もあり、さらに「これも運転士不足が影響していて、運行してもらえる事業者のメドがたたなかったのではないか」とも言われている。
そもそも、バス運転士は高齢の人が多かった。新型コロナウイルス感染拡大が始まり利用者が減っても、感染リスク拡大を避けるため路線バスの目立った減便は行われなかった。バスの運行業務は目立って減ることはなかったのだが、高齢という事もあり運行業務による感染リスクを嫌い離職する運転士があとを絶たなかった(事実運転中に感染するケースが続出した)。
離職者が相次ぐなか、運行本数の多い路線を中心に減便が目立つようになってきた。そして「2024年問題(時間外労働時間の制限強化)」が顕著となれば、さらなる減便に拍車がかかるともいわれている。そのなか、バス事業者のなかには若年運転士の雇用に積極的になっているとの報道が相次いでいる。2022年5月、警察庁は特別な教習を修了すると、普通免許等を受けていた期間が通算して1年以上であれば、本来21歳以上のところ19歳以上で第二種免許の試験を受けることができるとした、改正道路交通法が施行された。
事実上の運転士不足解消へ向けた改正ともいわれ、前述したように若年運転士の雇用に積極的になる事業者が現れたのである。