この記事をまとめると
■第一期ブガッティのレーシングカーであるタイプ32が生誕100周年を迎えた
■ブガッティ・タイプ32はモータースポーツにエアロダイナミクスの概念を持ち込んだ
■活躍したのはわずか1年1戦でありその後を受け継いだのがブガッティの名車タイプ35だ
その見た目から「タンク」という愛称で親しまれた
ブガッティの「タイプ32」が生誕100周年を迎えた。といきなりタイプ32と言われても、ほとんどの人は第一期ブガッティ、すなわちあのエットーレ・ブガッティによって率いられていた時代のモデルのことは知らないかもしれないが、「タンク・ド・トゥール」、あるいはシンプルに「タンク」の愛称で親しまれるこのタイプ32の姿は、あるいは記憶のどこかにあるのかもしれない。
それほどまでにこのタイプ32は、ブガッティのグランプリカーのなかでも個性的なデザインを持つ一台なのだ。
その愛称のなかにある「トゥール」とは、フランスの中部にある都市の名前だが、かつてここには1周が22.83kmにも及ぶ公道サーキットが存在していた。
タイプ32は、ここで1923年に開催されたフランスGPに参戦するため、エットーレ・ブガッティが直々に開発を指示したモデルで、その最大の特徴は、タンク(戦車)にも例えられたそのボディデザインにあった。
早くからレーシングカーのパフォーマンス向上のためにはエアロダイナミクスが大きな影響力を持つことに気づいていたエットーレは、航空機の翼からインスピレーションを得たボディを設計。