プラド改めランドクルーザー250の立ち位置は? 国産でライバルとなりそうなクルマと比べてみた! (2/2ページ)

オンロードを目的とするのであればランクル以外も選択肢に

 ランドクルーザー250の発表と同時に、この冬に日本での再販が始まると正式発表されたランドクルーザー70も、250のライバルとなる。

 日本仕様のランドクルーザー70のパワートレインは2.8リッターディーゼルで、最高出力150kW、最大トルク500Nmというスペックは両モデルに共通。250は8速AT、70は6速ATという違いはあるため、高速巡行での静粛性や燃費性能においては250が有利だろう。一方、タフなクロカン性能でいえば実績ある6速ATに分があるかもしれない。

 ボディサイズについては250のスリーサイズが「全長:4925mm・全幅:1980mm・全高:1870mm」と国内で使うには大きめとなっている。70のボディサイズは「全長:4890mm・全幅:1870mm・全高:1920mm」と、とくに全幅については日本で使いやすそうな印象もある。ステアリング切れ角など、実際の取りまわしにおいて、どちらが優位なのかは試してみないとわからない部分も多いが、少なくとも駐車スペースとの関係においては、70を選ぶしかないと感じているランクルファンはいるのではないだろうか。

 縦置きエンジンの新しいプラットフォームを持つクロスオーバーSUV、マツダCX-60もランドクルーザー250のライバルとなるだろう。もし価格帯が同程度だとすれば、直列6気筒ディーゼルを積んでいるという点において、CX-60はランドクルーザー250よりプレミアムに思えるだろうし、マイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドなど、電動化における選択肢も用意されている分だけ現代的なSUVといえるのもアドバンテージだ。

 もっとも、クロスカントリー4WDとしての悪路走破性については実際に比べるまでもなくランドクルーザー250の圧勝だろう。駆動力を強めるローレンジを持っているランドクルーザー250には、ワンランク上の走破性が期待できる。オンロードでのコーナリング性能に役立つが、オフロードではサスペンションの伸びをジャマしてホイールトラベルを減らしてしまうスタビライザーについてオン/オフする機構もランドクルーザー250は備えている。

※画像はランドクルーザー300のスタビライザー

 しかしながら、CX-60には直列6気筒ディーゼルというエンジン形式によるアドバンテージがある。オンロードでのプレミアム性を求めるユーザーにとっては、CX-60のほうが満足度の高い選択となり得るだろう。

 オフロード性能だけでいえば、スズキ・ジムニーも忘れられない。660ccターボを積む軽自動車のジムニー、1.5リッターエンジンの登録車ジムニーシエラで構成されるジムニー兄弟は、同等のラダーフレームにオーソドックスな副変速機付きのパートタイム4WDを搭載したミニマム・オフローダーだ。

 アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム(AVS)やオフロード走行を支援するマルチテレインセレクト、床下の状態を映像でみせるマルチテレインモニターなど、電子制御によってオフロード性能をアップさせたランドクルーザー250とは方向性が異なるが、実際のクロカン走行においては、軽くてコンパクトなジムニー兄弟が有利なシチュエーションもあることは間違いない。

 そうはいっても、実際にはランドクルーザー250とジムニーで迷うユーザーというのは少数派だろう。むしろランドクルーザーとジムニーの両方をガレージに並べておきたいというのがクロスカントリーファンの本音といえそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報