路面に描かれた「止まれ」を無視しても違反じゃない!? 法的効力は標識にしかなかった!

この記事をまとめると

■「一時停止違反」は2022年の交通違反摘発件数で1位となっている

■路面に描かれた「止まれ」の表示(路面標示)だけでは法的拘束力を持たない

■「止まれ」の路面標示は基本的に標識とセットなので路面表示を見たら守るようにしよう

路面標示の「止まれ」は止まらなくても違反にはならない

 2022年の全国の交通違反摘発件数は614万1535。そのうち検挙件数がもっとも多かったのは「一時停止違反」で146万6131件となっている。

 道路交通法第四十三条には、

「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない」

 とあり、これに従わないと「一時停止違反」になるわけだが、じつは「道路標識等により」というのが大きなポイント。

 ほとんどの場所には、「止まれ」と書かれた一時停止の標識と、路面に描かれた「止まれ」の表示=路面標示がセットで用意されているが、稀に一時停止の標識がなく、「止まれ」の路面標示だけのところがある。

 こうした場合、路面標示の「止まれ」には、法的効力はなく、「法定外表示」という扱いになる。

 法定外表示には、「止まれ」のほかに、

・「進行方向別通行区分」の予告表示
・環状交差点における路面表示
・ハンプ路面表示
・交差点クロスマーク表示
・歩行者保護のためのカラー舗装
・「急カーブ」
・「追突注意」
・「事故注意」
・「速度落とせ」

 などがある。

 変わったところでは、「あっ!」や「☆合図(合図=ウインカー)」といった路面標示があるが、これらはいずれも法的効力はない。

 しかし、「法定外表示」は、交通規制の意味を明確にし、運転者に対して道路の状況や交通の特性に関する注意喚起を行うことで、交通の安全と円滑に資することを目的として整備されたものであり、違反=罰則がなかったとしても、無視していいものではない。

 それに、「止まれ」の路面標示は基本的に標識とセット。標識があれば法的効力が発生するので、守らないと違反になってしまう。

 いちいち標識とセットであるかどうかを確認するのも骨が折れるので、「止まれ」の路面標示があったら、素直に停止線の直前で一時停止するようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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