数千万円だったクルマが中古のプリウスより安い! こんな中古車って本当に買って大丈夫? (2/2ページ)

高性能スポーツカーや高級車なら国産車でも狙えそうなモデルあり

レクサス IS F

 レクサス品質とかなんとか高いところから宣伝していますが、やっぱり古くなると壊れるのは論理的な帰結にほかなりません。ただ、輸入車と違うのは、いいのか悪いのか「すぐ走れなくなる」ような故障ではないところ。

 たとえば、よくいわれるのがナビ、マルチファンクションシステムの故障。モニターが映らなくなることから始まり、チラチラするとか、なにがしかの機能だけいうこと利かないとか、クルマ屋というより電気屋の受け持ちですね。

 ディーラーに持ち込むと、たいていはデンソーの担当子会社に送られ修理されるのだそうですが、ひと声10万円ほど。それでも補修部品があって直ればいいのですが、古いクルマですから欠品パーツもあったりして、入荷待ちや最悪のケースはアッシー交換となり、数十万円の手痛い出費を覚悟しなければなりません。

 よくサーキット走行を重ねた過走行車は要注意などといわれますが、むろんIS Fも同様です。が、さすがの「レクサス品質」ですから、ハード系のリフレッシュはたいていの場合は可能なはず。なので、電気に詳しいとか、ナビとかモニターは要らん! という男っぷりのいい方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

センチュリー

 先代モデルは国産車で唯一V12エンジンを搭載していた名車の誉れ高い一台。中古車として出まわっているタマのほとんどは法人使用車両というのも狙いやすい理由かもしれません。10万キロを優に超える過走行だとしても、定期的な整備やその記録簿がしっかり残っているタマが少なくないですからね。で、記録簿を見せてもらうと、たいていフルコースで、定期点検は言うに及ばず、車検の際もひと通りのパーツが交換されていたりして、丁寧に扱われたタマの多いこと!

 もっとも、前述の通り12気筒エンジンはさほどクセの強いものではなく、弱点といえるポイントも取り立ててはないようです。あえて挙げれば、ごく低速での走行が比較的多いことや、アイドリング状態で待ち時間が長かったなどの使い方による熱害。ラジエーターファンの不具合はよそでも取り上げられていますし、ヒーターバルブからの冷却水漏れ、そしてヘッドガスケット漏れは12気筒エンジンでは典型的なトラブルかと。

 それぞれの修理コストはそれなりに値が張るものですが、先に述べたとおり定期点検などしっかり整備されてきたタマなら致命的な故障に達するケースはさほど多くありません。

 センチュリーを日常のアシにしたいという方は、記録簿や来歴のはっきりした中古車を選びさえすれば「大けが」は少ないはず。ビックリするほど丈夫で快適なシートなど、ファミリカーとしても優秀なので、そこらのミニバンに飽きた方にはもってこいではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報