いま流しのタクシーを捕まえるのは至難の業! 運転手不足と需要増加でアプリが必須の時代になった (2/2ページ)

アプリの普及がタクシー業界を変えた

 そんな便利なタクシー配車アプリは、かつて主流であった無線配車の進化版のようなものともいえるので、空車のタクシーに迎えに来てもらうことにもなり、複数あるアプリサービスのほとんどで迎車回送料金(都内では300円が多い)を取られることになる。筆者は仕事柄もあって、主要とされる3つの配車アプリをダウンロードしている。都心部であっても訪れる人の多い地域などでは差はないのだが、やや人の少ないような場所では近くにいるタクシーの数に差が出やすい。ただ、筆者のダウンロードしているアプリのなかで、料金の割引を積極的に行っているサービスがあるので、筆者はまずこのアプリでの配車状況を確認し、時間がかかるようならば、ほかのアプリで配車するようにしている。

 時間帯に限らず、駅のタクシー乗り場で客待ちするタクシーの長い列を見かけることは少なくなった。前述したとおり稼働台数が少ないこともあるのだが、アプリ配車サービスに加入しているタクシー事業者の車両では、AI(人工知能)による予測配車システムというものがあり、AIによって過去の運行データを蓄積し、時間帯や天候などを考慮することで需要が見込める地域にタクシーを多く走らせていることもあるようだ。

 筆者の居住地域でもターミナル駅で客待ちするタクシーをいまではほとんど見かけることはなくなったが、やや不便な総合病院からアプリで配車要請すると、数分でタクシーが迎えにきてくれる。筆者の居住地域では、時間帯によってお年寄りを中心に病院へ送ったり、病院から帰るといったタクシーニーズがピークになる時間帯があるので、そのような時間帯には、AIの予測配車に基づき病院近くを走るタクシー(配車要請を待つ)が増えているようである。

 残念ながら現状ではタクシー運転士を飛躍的に増やして稼働率を上げる特効薬は存在しない。そもそもタクシー需要自体は減り続けており、かつては稼げないから辞めるということが目立っていた。しかし、いまでは、タクシー運転士個々の働き方もあるが、稼働率が少ないこともあり、十分稼げるかについては個人差があるとしても、絶えずお客を乗せるといった運転士も少なくない。このままいくと忙しすぎるということで、短期間での離職が目立ってくるのではないかともいわれている。

 また、アプリ配車サービスへの加入を機に、人件費や設備投資の節約もあり無線配車センターの閉鎖を行ったり、規模縮小などを行うタクシー事業者も出てきているようである。

 アプリ配車は予約することもできるので、常にアプリを使えとまでは言わないが、タクシー利用の便利ツールのひとつとして、また都市部でもできるだけ待つことなく利用するようにするためにも、タクシー配車アプリのダウンロードをしておくのは一考といえるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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