サスペンション設計的には1人55kg×乗車人数+αと考えるのが正解
もっとも、クルマの荷重能力をタイヤの荷重指数だけで判断するのは間違いの元だ。サスペンションの設計が、どこまでの荷重を考慮しているかも考えなければいけない。
商用車では最大積載量をしっかり支えるだけのサスペンションを当たり前のように与えられているが、乗用車の場合は積載能力より乗り心地が優先されることもある。そうしたセッティングのクルマでは、荷物を載せ過ぎるとサスペンションが底付き状態になってしまう。
サスペンションのキャパシティを超えてしまっていては、安全かつ安心して運転することはできないのは自明。タイヤ荷重指数などのスペックだけでなく、そうしたトータルでの作り込みまで考えて判断する必要があるだろう。
具体的に、乗用車はどのくらいの重量までが対応できる目安なのだろうか。
公式的には大人1人55kgが基準であるとされているが、さすがに基準値ギリギリで設計されていることはない。少なくとも8人乗りのミニバンであれば、大人8名(=440kg)が乗った上でそれなりに荷物を載せても大丈夫なように設計されているといえる。
ちなみにセダンなどではゴルフのキャディバックが3〜4個積めることがアピールされるが、キャディバックの重さはクラブを入れた状態で10kg程度。耐荷重的には、さほど負担になるわけではなかったりする。乗用車のラゲッジに商用車のようにギチギチに荷物を積むのは、過積載とは言わないまでも、キャパオーバーであることは間違いなく、おすすめはできない。