過去最高の営業利益を叩き出した! 相変わらずも「納期遅延」に苦しむなかでもトヨタが絶好調な理由とは (2/2ページ)

次なる販売方法を考えることも必要かもしれない

 一方でトヨタは、新型車を中心に依然として納車に時間を要する状況だ。

 メーカー側は「少しでも早くお客さまに商品をお届けできるように、仕入先・販売店の皆さまとともに努力していく」と説明しているところだ。2020年から続く、半導体など部品供給の不安定さによって、モデルによっては複数年にも及ぶ超長納期のユーザーも発生しており、そうした先客分から段階的に納車が進んでいる。

 通常は、新車が発表されて発売が開始されると、当分の間はいわゆる新車効果によって販売が高い水準を維持する。だが、そうした新車供給の見通しが、現状ではまったく立たない状態だと言えるだろう。さらに言えば、「製販分離」による新車の受発注の仕組みが改めて問われる時期なのかもしれない。自動車メーカーはその名のとおり、製造者であり、製造した新車を販売店に卸売りをする業態だ。

 販売店側は「メーカーにとっての顧客は我々販売店だ」という意識が根強くある。その上で、販売店を運営する企業各社は、独自の営業努力によって新車を販売しているのが自動車産業界の実情だ。

 今回の長納期という異例の事態を受けて、トヨタとトヨタ販売店各社との間で、新たなる仕組み作りの議論が進むかもしれない。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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