いまのオッサン世代が「青春時代」にどっぷりハマった! 80年代に峠をかっとんだボーイズレーサー5台 (2/2ページ)

各メーカーから個性派マシンが勢揃いしていた

日産 マーチターボ

 コンパクトカー+ターボといえば、日産マーチターボ(K10)も忘れてはならない。

 マーチターボは1985年の登場で、1リッター直4SOHCのMA10にターボをくっつけ、85馬力までチューニング。このクラスなのにキャブターボではなく、電子制御のECCSを採用したところが目新しかった。

 イメージキャラクターは近藤真彦で、彼のために作ったスーパーシルエット仕様のマーチも話題に。マーチターボもエアダム一体式(フォグランプ内蔵)の大型エアロバンパーが採用され、レーシーなイメージに。ハンドリング面ではスタビライザーが追加され、足まわりも強化された。

スズキ・カルタス 1300GT-i

 現代を代表する国産ホットハッチといえばスズキのスイフトスポーツだが、そのご先祖にあたるのが、スズキ・カルタス。初代カルタスは1983年のデビューだが、1986年のビッグマイナーチェンジで、国産1.3リッタークラスでは初めてのDOHCエンジンを搭載するGT-iが加わった。

 新開発のG13B型エンジンは、4-2-1のエキゾーストマニホールドや10.0の高圧縮比を武器に、クラス最強の97馬力を達成。1987年にはさらに1000回転高回転化され、最高出力は110馬力に。同時に足まわりも強化され、1.3リッタークラス最強の1台となった。

ダイハツ・シャレード デ・トマソ ターボ

 最後はダイハツのシャレード デ・トマソ ターボ(G11)。先代のG10シャレードは、乗用車としては世界初となる直列3気筒4サイクルエンジンを搭載。いまでは当たり前の直3エンジンの元祖はシャレードだった。シャレードは1983年にフルモデルチェンジとなり、ターボエンジンが用意される。そして1984年には、イタリアンスーパーカー、パンテーラで知られるデ・トマソと手を組んだ、シャレード デ・トマソ ターボが登場。

 エンジンこそベースモデルと変わらず80馬力だったが、パンテーラのイメージカラーともいえる、赤と黒の2トーンボディで、サイドには「DETOMASO」のロゴがあしらわれた。車高も最初からローダウンされ、ホイールはゴールドに輝く14インチカンパニョーロ・マグネシウムを装着!

 バンパーやテールゲートスポイラー、フロントグリルは専用品でカスタマイズされ。インテリアも黒をベースに赤をアクセントにし、ステアリングには憧れのモモ製が奢られた。ターボのわりにパワーはたいしたことはないが、車重は690kgなので、「ネコ科のターボ」のキャッチフレーズに恥じない走り。

 なによりイタリアンテイスト溢れる、ドレスアップのいいお手本になった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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