100年以上「黒くて」「丸い」ゴムの塊のまま! 見た目は変わらないけどタイヤって進化してるの? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■タイヤの形や色は100年以上変わっていない

■素材や技術、製法は大幅に進化しており、常にアップデートを重ねている

■今後は環境に配慮したタイヤが数多く誕生する流れになるだろう

タイヤは色と形が同じだけで中身は最新技術の塊

 自動車は誕生してから常に進化を続けている。それは個々のパーツを見ても同じだ。自動車を構成するパーツのなかでももっとも大切と言われるタイヤも進化している。黒くて丸いタイヤは、一見すると姿かたちが大きく変化していないので、あまり進化を感じることができないが、タイヤの進化がなければ現代のクルマのパフォーマンスについてくることはできない。今回は近年の進化を中心に見ていこう。

ラジアルタイヤ

 タイヤの歴史で語られることが多いのがラジアルタイヤの誕生だ。これはカーカスと呼ばれるコードを重ね合わせた骨格を形成している層が、回転方向に対して直角、サイドウォールを正面に見ると円の中心から放射線状(ラジアル)に配列されていることから名付けられた。このラジアルタイヤの登場により、タイヤと路面の接地性の向上、転がり抵抗の低減を実現。コーナーや発進加速でのグリップ性能や燃費性能が向上したのだ。

カーボンブラックは単なる着色剤に

 たとえばタイヤの歴史を振り返る上で、カーボンブラックをゴムに混ぜることで飛躍的に強度を高めて耐久性を向上させたというテクノロジーがある。これは20世紀初頭の出来事であった。この配合によってタイヤは黒くなったわけだが、タイヤメーカーに聞くと、現代ではカーボンブラックは結合剤としてではなく着色剤として使われる場合も多いという。

 そして、当時剛性強化の目的で配合されていたカーボンブラックの代わりに、現在使われるようになったのはシリカだ。このシリカは温度変化に強く、配合すると強い化学結合を形成し、高い性能を発揮するという性質を持つ。

 フルシリカと言われるタイヤも存在し、これはその名の通り結合剤にカーボンブラックではなくシリカのみを使用しているタイヤというわけだ。

 そして現在、低燃費タイヤという言葉がすっかりと浸透したが、これもシリカのおかげ。この素材を採用することでウェット路面でのグリップ力や摩耗性能を犠牲にすることなく転がり抵抗を少なくすることが可能となり、低燃費タイヤが誕生したのだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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