新型が公開されても「現行型N-BOX」は相変わらず売れている!
2位に甘んじたホンダN-BOXはご存じのとおり、8月3日に次期型が初公開された。ただし、発売はまだ先なので現行型は、メーカーウェブサイトの工場出荷時期の目途も2カ月程度となっており、オーダーストップになっていない。ましてや7月は値引き額を拡大して販売したセールのような状態だったとのこと。トップのヤリスシリーズとの差はわずか935台、新型登場間近のモデル末期ながら善戦したものの、力及ばすというところだろう。
登録車では先行予約販売というのは、人気モデルほど殺到するのだが、軽自動車では少々事情が異なる。まさに日常生活に密着して使用されるケースも多いので、「登場直後または登場予定モデルよりも、生産体制もモデルも熟成した末期モデルのほうを選びたい」というニーズが意外なほど多く、そのような傾向があるのは現場のセールスマンからも聞かれる。ましてや、いまは新車のメーカー希望小売価格の値上げが目立ってきている。当然次期型N-BOXもここ最近の燃料費高騰(輸送代アップ)、部材費の高騰などを反映した値付けとなるので、販売現場では現行型より目立って割高な価格設定になることを危惧している。
販売現場では「値上げを気にされるお客様を中心に、今後も現行型メインで販売が続いていくだろう」と語っていた。個人的には次期型は見た目ダイハツ・タントやスズキ・スペーシアといったライバルにキャラクターが近くなったような印象を受けるのも少々気になっている。ここのところタントがN-BOXを猛追していたのだが、7月は7000台以上の大差がついた。しかしこれは仕入れ先火災による工場稼働停止が影響しているものと考えられる。
6月21日に新型アルファード&ヴェルファイアがデビューしているのだが、アルファードは3096台、ヴェルファイアは1617台となっている。一般ユーザー向けの納車は8月から本格化するとの情報もあるので、7月は試乗車などのディーラー社有車登録分などがほとんどと考えられる。
日産は、e-POWERモデルも発売となったセレナがいまひとつ波に乗れていないような印象を受ける。ハイブリッドでオプションの選択次第では2024年10月以降あたりが納車予定となっているノア&ヴォクシーと比較すれば、納期もそれほどかからないのだが、ノア&ヴォクシーからお客が流れてくる気配をあまり感じない。ホンダ・ステップワゴンは統計数字をみるとさらに苦戦のようにも見えるが、これは供給体制に問題があり思うように数字が伸びていないためといった説明を販売現場で受ける。
納車まで長期間待つのが一般的とされるノア&ヴォクシーだが、希望車種(グレードやボディカラー、オプション)次第では、生産過程で同じ仕様がキャンセルになった場合など、スイートスポット的に同じ内容の車両があてはまると、納車まで半年など納期が急に短くなることも稀にあるそうなので、そこに購入希望者も一縷の望みを託しているのかもしれない。