クルマ生活が当たり前のアメリカに「クルマ禁止」の街があった! じわりアメリカに広がる「クルマ離れ」の意識 (2/2ページ)

意識の高まりで「脱クルマ」にも注目が集まるアメリカ

 こうしたクルマから離れて生活することに対して、じつは最近、アメリカ人の興味が高まっているといえる。

 たとえば、ニューヨークのマンハッタン中心部でも、いわゆる「カーフリーデー」を設けたり、ロサンゼルス周辺では歩行者優先エリアを拡大したりと、とくに都市部で「人中心」の街づくりが進んでいる。背景にあるのは、やはりSDGs(持続可能な達成目標)や、カーボンニュートラルに対する国民の意識の高まりだ。

 時代を振り返れば、アメリカでは第二次世界大戦後、全米にフリーウェイが構築され、その周辺に住宅地を建設するという街づくりが進み、移動にはマイカーを使うことが常識化した。そうした、マイカー生活の在り方を考え直そうというトレンドが、全米に広がり始めているのかもしれない。

 1970年代には自動車の排気ガス規制によって、大型排気量の大型車が姿を消した。だが、1990年代後半からSUVシフトが始まり、いまではアメリカ自動車市場の7割以上が、ライトトラック(SUVとピックアップトラック)で占められるようになり、クルマの大型化が進んできた。そこに、連邦政府がEV普及を促す施策を推進するようになってきた。

 とはいえ、国土が広く、また公共交通があまり普及していない地域が多いアメリカで、アメリカ人のクルマ利用が一気に減少するとは考えにくい。その上で、まずは都市部や観光地では、「できるだけクルマを使わないこと」を考える機会が増えてきている。

 マキノー島のような環境が、アメリカ全体に広がることは難しいが、アメリカ人にとってマキノー島の様子は、次世代のアメリカ社会において極めて重要だという認識があるのだと思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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