いまやMTに乗るのに特別な技術は必要なし!
変速アシスト
マツダのSKYACTIV-XのMT車に用意されているのが変速アシスト。そもそもマツダのMTのシフトフィールの良さには定評があるが、シフトアップ時のクラッチ操作に伴うショックを低減させるため、マイルドハイブリッドのモーターを用いてエンジン回転を素早く落とす制御を盛り込み、クラッチをつなぐ際のショックとスムースなシフトアップを実現している。ある意味、MT車の運転がうまくなったように感じられる(同乗者にも)機能でもある。
シフトダウン制御
誰もがMTを気軽に、簡単に運転できるように開発されたのが、たとえばトヨタのi MTだ。MT車はクラッチ、シフト操作が必要で、なおかつシフト時にはエンジン回転を合わせないとスムースな変速はできない。が、トヨタのi MTは、クラッチペダルとシフトの操作を検知し、シフト操作時のエンジン回転数を電子スロットルで制御。シフトダウン時には自動でブリッピング(空吹かし)を行ってくれて、スムースな変速(シフトダウン)と変速ショックの軽減を実現したトランスミッションだ(ON/OFF可能)。
この機能は、フェアレディZではシンクロレブコントロール、シビックタイプRではレブマチックシステムと呼ばれ、そうした本格スポーツカーでもお馴染みの機能。ヒール&トゥなしに的確なシフトダウンがブレーキ操作だけで行え、痛快なスポーツドライビングを気軽に堪能できるメリットがある。
以上のような”お助け機能”が付いているMT車なら、MT車に久しぶりに乗る人、MT初心者でもMTの良さを存分に、安楽に味わえるに違いない。ただし、そんな人がMT車を購入する際は、クラッチの重さのチェックは不可欠。いかに先進的な機能が付いたMTでも、クラッチ操作をしなければならないことに変わりはないからだ。スポーツカーならともかく、実用車のMTは、販売店の試乗車にないこともありがちだが……。