「値段」だけじゃなく「車種」も女性が積極的に決めるケースが増加! ひと昔前とは一変したイマドキの「新車商談」現場 (2/2ページ)

クルマを選ぶのは旦那ではなく奥さん

 そして、令和のいまでは、男女共同参画社会の実現として、お父さんもお母さんもフルタイムワーカーというケース(とくにともにクルマ通勤ではない都市部)が多くなってくるなか、「カーシェアリングを使えば、クルマはいらないか」ということも目立ち、「マイカーパッシング(マイカーいらない)」も目立ってきているように感じている。

 もちろん、都市部と、クルマが日常生活での移動手段のメインとなっている地方部では温度差があるともされているが、その感覚の差も以前ほどは縮まっているようにも見える。

 固定観念として、「女性はサイズが小さく、可愛いスタイルが大好き」というのも、「昭和のころの話でしょ」と言われかねない時代になっているかもしれない。

 アルファードクラスのフルサイズミニバンを持ち、子どもが3人いる家族で、子どもたちが中学生や高校生になり、小学生のころほど家族旅行なども出かけなくなったころに新車への乗り換え時期がきたとのこと。「家族全員で出かける機会も少なくなったのでミニバンでもダウンサイズしよう」との話も出たようだが、お母さんが「ダウンサイズは嫌だ」ということになり、フルサイズミニバンへの乗り換えとなったとの話を聞いたことがある。

 男性に比べ女性のほうが車種変更を嫌う傾向が目立つという話も聞いたことがある。サイズの大小ではなく、取りまわしの慣れたサイズを乗り継ぎたいとか、操作系が変わるのを嫌がり同じモデルを代々乗り継ぐという傾向が見られるというのである。

 少なくとも日本よりジェンダーフリーが進んでいるアメリカでは、かつて「セクレタリー(秘書)カー」ともいわれる、自立した女性が乗るモデルとして、セリカなどサイズが小さめなクーペがよく売れた。それがいまではクロスオーバーSUVへと移り変わっている。日本でもそこそこヒットしたが、初代日産ジュークは世界的にも自立した女性ユーザーをメインとしたモデルであったので、海外では日本と比較して爆発的に売れたのである。

 日本ではまだまだ「女性=可愛いクルマ(サイズも含めて)」という固定観念が強いが、諸外国では男性顔負けのエッジの利いたモデルを好んで乗る女性も多いと聞いている。中国で若い女性に「何を運転したいか」と聞いたら、「BMWのSUVに乗りたい」と答えてくれた。腰高なポジションで視界も高く、そして運転していてナメられないというのが理由と語ってくれた。

 日本でも男女共同参画社会の実現がさらに進んでいけば、ハイパフォーマンスモデルや押しの強いフルサイズSUVを運転する女性を今以上に当たり前のように街なかで見かけることになるかもしれない。

 若い世代ほど男女問わず運転免許を取得している人の減少傾向が目立っている。クルマを持つことが“コスパに合わない”という理由もあるようだが、少なくとも“男子=クルマ好き”というのは昭和のころの昔話といっていいほど、都市部を中心に当てはまらなくなりつつあるのは間違いないようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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