登坂車線には最低速度がない
また、山岳路で後ろから来るクルマに道を譲りたいというドライバーが登坂車線を利用して追い越しさせてもかまわない。逆に、速いクルマが登坂車線を利用して追い越しをするのは、左側から追い越しすることになるので違反行為となってしまう。それと、何らかの事情で速度が出せないクルマのための道が登坂車線である。そのための高速道路の登坂車線であっても、最低速度50km/hの適用外となっている。
とはいえ、山岳路で景色を楽しむために登坂車線をゆっくり走るというのはNGだ。いずれにしても、円滑な交通につながるよう、個々のドライバーが上手に利用すべきなのが登坂車線といえる。
登坂車線が設置されている区間で気を付けたいのは、登坂車線から本線に戻ってくる合流地点だ。
登坂車線を遅いクルマが走っているうちに追い越してしまいたいと考え、制限速度を超えて加速していくクルマを見かけることもある。それがギリギリのタイミングとなってしまうと接触事故につながってしまう。
登坂車線を走っているクルマをギリギリで追い越すようなドライバーは「速く走れるほうを優先すべし」という強者の理論を持っているのかもしれないが、登坂車線を走っているような加速の余裕がないクルマにブレーキを踏ませてしまうような運転というのは褒められたものではない。
パフォーマンスに余裕のあるクルマを操っているのであれば、運転自体にも余裕を持って、広い視野での安全運転を実行したいものだ。