この記事をまとめると
■「どんなクルマも買い取ります」という看板を街なかで見かけることがある
■クルマは鉄の塊で、さまざまな資源が使われているので解体するとお金になる
■かつてそういった廃車をニコイチなどにして販売する再生車というのを扱う業者もいた
「廃車買い取ります!」と言われても本当にお金になるの?
クルマというのは価値が”一応”ある。”一応”というのは、古くて人気がなかったりすると価値がなくなってしまうから。また、価値があるクルマでも、重大な故障で再起不能となれば、価値はなくなってしまうこともある。つまり、費用をかけて直すのに見合わないという時点で価値はなくなるということだ。
いずれにしても、クルマの価値というのは純金のように確固たる後ろ盾はないということなのだろうが、まったく価値がなくなってしまうわけでもない。それが「どんなクルマも買い取ります」という看板だ。なかにはもっと具体的で、1万円という数字を入れている場合もあるのだが、ゴミみたいなクルマでも買ってくれるのだろうか? そしてそれはどうなるのだろうか?
買い取ったあとの行き先はいくつかあって、まずはくず鉄。ご存じのようにクルマは大量の金属でできているので、分類すればリサイクル素材として売れるのだ。鉄よりもアルミのほうが高かったりするので、クルマ1台丸ごと買い取ったり引き取ったりする価値はある。ただし、金属相場に影響されるのが難点で、材料不足でリサイクル材の需要も高ければいいのだが、相場が安いと損をするので、「無料で引き取ります」的な看板は姿を消すことになる。
そしてもうひとつが、中古部品としての販売だ。事故に遭っていても、たとえば前半分がダメで、後ろ半分は大丈夫ということがかなり多い。そうなると、ガラスやボディパネル、足まわりなど、前が大丈夫ならエンジンやミッションといったように、取れるものは多くて、分解していく手間と在庫のリスクをいとわなければ商売になるというわけだ。最近では外国人ブローカーも多くて、部品取りや中古部品にして海外へと流れていくことも多い。一見価値がないように見えてもしゃぶり尽くせるのだ。