「先代プラドの中古価格」が「新型ランクル250の新車価格」を超える可能性ってマジか! 常識が通用しない納期遅延下の中古市場 (2/2ページ)

新型の人気が高すぎると先代中古車価格も上がる

 新型車の納期が遅延すると、その中古車価格が高騰するのはよく見られる傾向だが、ランドクルーザーは、先代型の中古車価格まで高騰しているわけだ。新しいランドクルーザー250の発売時期は、販売店によると「現時点(2023年8月時点)では未定だが、日本で受注を開始するのは2024年に入ってからだろう」という。

 したがって250の受注状況なども分からないが、プラドに比べるとボディを拡大して存在感も強めた。プラドはランドクルーザー(300)よりもボディがコンパクトでホイールベース(前輪と後輪の間隔)も短いが、新しい250は300とほぼ同じ大きさで、外観もカッコ良くなった。

 そのために、250はプラドに比べると値上げされることが予想できる。直列4気筒2.7リッターガソリンエンジン車の場合、プラドはもっとも安価なTXが367万6000円、売れ筋のTX・Lパッケージは417万9000円だ。これが250になると、もっとも安価なグレードでも420万円前後で、売れ筋は470万円くらいに達するのではないだろうか。

 しかし、それでもランドクルーザー300でもっとも安価なGXの510万円に比べれば大幅に安い。したがって250も人気車になり、その納期が数年間に渡って遅延したり現在の300のように受注を停止したりすると、先代型の中古車価格まで高騰させてしまう。

 ちなみにランドクルーザー300の納期が延びた結果、先代型になる200の中古車価格まで、300の新車価格を大幅に超えるに至った。このような価格高騰は、メーカーの供給不足が招いた市場の混乱だ。トヨタは日本を代表するトップメーカーだから、市場を安定させるように務めねばならない。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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