値引きや下取りは期待できないが「足を使えば」お得に買える!
「そんな状況では値引きも期待できないのでは……」と思う人もいるかもしれない。ただ、コロナ禍前から、増販期だからといってとくに車両本体価格からの値引きが拡大することはなかった。車両本体価格からの値引き額は通年でフラットなのだが、増販期では下取り査定額の一律上乗せや、用品の無料サービスなどの特典が設定されることで、買い得感が増していたのである。
コロナ禍となってすぐの頃からいまのような納期遅延が顕著になる頃までは、意外なほど破格の条件が出ていたのだが、いまでは部材費の高騰などで車両価格に含まれる利益がどんどん減っており、車両本体価格からの値引きはだいぶ引き締まっているのが一般的。収益減に悩むディーラーでは、下取り査定額や用品無料サービスも思うようにできないのが現状となっている。
ただし、かなりピンポイントで車種を絞って“セール”のようなものを行うこともあるようだ。「ホンダN-BOXは7月中かなり魅力的な値引き条件が提示されていたそうです。ただし、生産が安定していないこともあり、告知はほとんど行っていなかったそうです」(事情通)。
これから9月いっぱいにかけても、新車ディーラーもただ現状を傍観しているわけにもいかないので、ピンポイントで一定車種に生産を集中させ短納期を目指すなどして、即納特価車なども用意してくるだろう。ただ、広く告知を行うことは需給状況が不安定な現状では難しいので、店頭を訪れ、「何か良い話があったら」とセールスマンに伝え、少々汗をかけば、それなりの情報が集まることになるだろう。