この記事をまとめると
■お盆休みが明けるとディーラーでは「決算セール」が始まる
■しかし納期遅延や部材費の高騰で例年のようなお得な購入は期待薄
■ただし足を使えばお得な情報が手に入る可能性はあり
納期遅延の影響で決算セールは盛り上がらない
お盆休みが明けると、新車販売業界では例年ならば事業年度締め上半期(4月から9月末)となり、半期決算セールが事実上スタートする。8月はメーカーの生産工場、ディーラーともにお盆に長期休暇を取ることもあり、稼働日数も少ないので新車販売現場では新規受注はなかなか期待できない。したがって、それまでに受注したなかで生産の都合上などで納車ができていない受注残車両をどれだけ8月中に新規登録(軽自動車は届け出)に持ち込めるかで8月の販売実績をまとめ、決算セールは9月実績になる商談を活発化させることになる。
この半期決算セールは、2月・3月の事業年度末決算セールに次いで盛り上がりを見せる増販期であり、好条件も飛び交い新車販売現場は活況を呈するのだが……。
「2021事業年度締めでの上半期末決算セールの時期ぐらいから、新車の生産遅延が目立ち始めました。2021事業年度締めでの上半期末決算セールは新車の生産及び納期遅延がもっともひどい時期となってしまい、まさに散々でした。2022事業年度締め上半期末年も「2021年よりはマシ」程度となりました。それでは2023事業年度締め上半期末決算セールこそはと販売現場も期待していたのですが……」、とは事情通。
いまだに深刻な納期遅延車の多いトヨタだが、販売現場で話を聞くと「トヨタが7月から9月の3カ月での車両生産計画を策定し、国内販売では前年同期比26%増になる計画だとの報道がありました。しかし、販売現場で聞いてみるとあくまで配車状況を見ての印象となるようですが、増えている実感はなく、むしろ滞り気味になりつつあるとの話も聞きます」(事情通)。
トヨタ以外のメーカーでは、極端な納期遅延となっている車種は限定的となっているようで、納期は短縮傾向にあるようだが、「3~4カ月程度」とまだまだ安定していない様子がうかがえる。そのため、お盆明けから事業年度締めでの上半期末決算セールの実績に結び付けようと商談を積極的に進めても、上半期末決算セールの実績となる9月中に新規登録(軽自動車は届け出)が可能となるケースはかなり限定的となるので、セールスマンのテンションもいまひとつ盛り上がっていないようである。
上半期末決算セールとはいえ、新規受注よりも実績での中心となるのは受注残車両の追い込み(上半期末決算セール実績になるようなタイミングで新規登録[届け出]を少しでも多く行うこと)となってしまうようだ。