喜ばしいハズの「事故の減少」がディーラーを苦しめる! 「板金修理」「車検整備」の減少に圧迫される新車販売店の苦悩 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつてはお盆などの長期休み空けのディーラーは板金修理依頼が殺到していた

■最近は安全装備の充実で修理がどんどんと減少している

■アメリカではキズを修理していない新しめのクルマが街に増えることが不景気の指標といわれる

かつてお盆明けのディーラーは板金修理の対応に追われていた

 本稿執筆段階は日本全国が災害級の猛暑に見舞われるなか、世の中的にはお盆休みも近づいているタイミング。試しにある地域の新車ディーラーの営業カレンダーをみると、8月10日前後から16日前後の間お盆休みに入るところが多かった。

 8月はこのお盆休みという長期休暇があるので、新車販売の現場も盛り上がらないのが定番であった。ディーラーが長期間休むだけでなく、新車を生産する工場も長期間休みとなるので、新車販売促進活動の稼働日が減るだけでなく、新車の生産工場も稼働日が少ないのでディーラーへ配車される新車も少なく、結果的には1年のなかで4月もしくは8月は新車販売台数が年間でもっとも少ない時期とされていた。

 しかし、ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大や、新車の生産遅延による深刻な納期遅延もあって販売現場が混乱するなか、当初予定から生産及び新規登録(軽自動車は届け出)スケジュールからずれ込んだ結果、8月であってもそこそこの新規登録作業が進んだりしているのか、販売台数の落ち込みも例年よりは目立たない状況となっている。

 お盆のほか、年末年始、ゴールデンウイークなどで新車ディーラーが長期休暇を取り、休暇明け初日はどの店でも、連休中に自爆も含め事故で愛車を損傷してしまったお客からの問い合わせが殺到していた。「長期休暇明け初日はまさにスタッフ全員で、お客様からの板金修理の問い合わせに対応することに、まさに忙殺されていました。ただしいまは……」とし、事情通はさらに話を進めた。

「自動ブレーキなど、安全運転支援デバイスが新型車に装着されるようになって久しくなりました。自動ブレーキはエアバッグと同じで、いざというときにならないとその効果を知ることはなかなかできないのですが、自動ブレーキが普及するにつれて、板金修理の入庫も減少していくようになりました」と話を続けてくれた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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