この記事をまとめると
■中古車販売チェーンのビッグモーターが数多くの不正を働いていた
■在庫車が市場に多く流通する可能性があるが相場の極端な変化は起きないと予想される
■クルマ屋が自動車保険を扱うことが一般的であったがその仕組みが変わる可能性がある
ビッグモーターの問題によって業界が大きく変わる可能性がある
クルマの買取、中古車販売、車両整備と、カーライフをトータルでサポートする事業スタイルで大きく伸びてきたビッグモーターが社会的な問題となっているのはご存じのとおり。
修理費の水増し請求のみならず、実際に修理箇所を増やすような破損行為を行っていたという告発にはじまった同社の問題は、店舗前の街路樹に除草剤を撒いたという話やパワハラ的な体質への批判など多岐にわたっている。
こうしたネガティブな報道がなされるなか、わざわざ同社で中古車を買おうというユーザー、修理に出そうというオーナーは減っているといわれ、ビッグモーターは経営的に厳しい方向に向かうはずだというのが大方の予測であり、また庶民感覚でいえば望んだ方向かもしれない。
たしかにエンドユーザーの来店が減っているなかで、在庫車を現金化する必要があるとなれば、同社が在庫している大量の中古車が業者オークションに流れるのは自明で、それによって中古車相場に下降圧力がかかるという見方も妥当だ。
一方で、多量にオークションに流せば”買い叩かれる”のは明白で、オークションに流すにしてもある程度はコントロールするであろうという風に考えるのも妥当だろう。
さらにいえば、この問題が社会的に注目を集める以前から中古車相場の高騰は落ち着いていた。仮に中古車相場が下がってきたとしても「ビッグモーターの在庫車がオークションに流れてきたからだ」とは断言できないのも正直なところだ。
仮に中古車相場が全体的に下がったとしても一時的な事象に過ぎない。需要と供給のバランスによって上下するのが、中古車相場だからだ。
ビッグモーターの件については、さらに大きい、自動車販売業界において恒久的となる問題が起きる可能性が指摘されている。