この記事をまとめると
■フォードはローンを滞ったオーナーへの対抗措置としてある技術を特許申請している
■ローンを滞納するとクルマの機能が少しずつ使えなくなる装備だという
■最終的にはクルマが自動でメーカーへ帰るシステムだが製品化の予定はないそうだ
フォードが画期的な技術を開発!
クルマがエアコンやスマートスピーカーのようにIoT化を受けると、我々クルマ好きが思いもよらなかった事態となりそうです。フォードが出願中の特許技術は、ローンの返済が滞ると車内のエアコンやナビが使えなくなったり、放置しておくと差し押さえ車の保管場所まで自動運転で走り去っていくというもの。インターネットの進化によって、便利な世のなかになったと喜ぶのか、サーベイランス(監視)社会の度が進むと憂うべきか、なんだか悩ましいテクノロジーです。
それにしても、この技術は星新一や筒井康隆のSF小説かのようで、初めて聞いたときには面白そうだとさえ感じたものです。
たとえば、ローンの滞納が初期の頃ならエアコンやナビといった快適機能が「差し押さえ」されるようですが、その手前にワンクッションあってもいいでしょう。スピードメーターに「お支払いが遅れているようです」と表示されるとか、ネット経由で音楽を聴いていると「ローンのお支払い、お忘れなく」とコマーシャルが入るとかね。
それでも支払わないでいると、フォードのシステムは運転時にイヤなノイズが鳴り響くとのこと。これまた不愉快なものでしょうが、ノイズよりもドライバーをヒヤっとさせるような警告も悪くないかと。信号の手前で「一瞬だけ」ブレーキが利かないとか、コーナリングの最中にアクセルを「一瞬だけ」ガバ開けするとかして、ドライバーが冷や汗かくのと同時に「借りた金、返して」とか「ケツの毛どころか、命ももらっちゃうかもよ」みたいに催告の言葉もエスカレートしたりね。
それでも払わないでいると、フォードのシステムでは、週末にエンジンすらかからないようになるのだそうです。平日は稼ぐために通勤走行はさせてもらえるものの、週末の遊びドライブはさせてもらえないという超合理主義。ここまでいくと、暴走して人類に襲いかかるアンドロイドにもほど近く、イヤな未来がきたもんだとのび太くん並みにため息も出るというもの。