エアコンが使えなくなって運転中に嫌な音が出て最後はクルマが勝手にメーカーに帰る! フォードが開発した「ローン滞納対策装置」が冗談みたいな内容だった (2/2ページ)

ネットワークで繋がってる以上ハッキングされる可能性も!?

 もっとも、インターネット経由でフォードからコントロールされているなら、これをハッキング、クラッシュさせてしまう悪党も出てくるはず。たとえば、差し押さえられているクルマのシリアルナンバーを、お隣さんのクルマのナンバーと差し替えてしまうとか、ニセの借金返済コマンドを入力してエンジンかかるようにしちゃうとかね。

 とはいえ、途上国の貧しい若者などがシステムの搭載を条件にローンが組めるようになるとか、好意的に捉える向きもあるようです。が、貧しい国ではクルマ泥棒だって横行しているかもしれません。上述のようにハッキングの危険だって無視するわけにはいかないでしょう。そこで、盗んだクルマから「窃盗は重罪です」みたいな警告でもされようものなら、逆上してなにをしでかすかわかったものでもありません。

 そもそも、このシステムIoTはもとより自動運転を前提とした技術ですから、当面は実用に供されることもないはず。また、ウソかほんとかフォードも「製品に実装する予定はない」とコメントもしています。

 さらには、現状で同社の出願が認められるかどうかも不明。というのも、以前に同様の特許申請が2件認められており、ここにフォードが反証なり、さらなるアドバンテージを実証できない場合、特許は認められないとのこと。それでも、このニュースが世界を駆け巡ったことでフォードの企みは半ば成功しているのではないでしょうか。「クルマの代金払わないと、エライめにあうからな」という言下のうちに強いアピールをしているのですから。

 それにしても、昔は良かったというわけではありませんが、アナログな時代なら借金取りがせいぜい「金返せ」の張り紙をしていくくらいだったのに、未来はクルマ自身が借金取りかのように催促してくるとは! さすがの藤子不二雄先生も予想はしてなかったのではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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