邪魔だからと街路樹を枯らすのは立派な犯罪! 道路にあるものを「壊す」「撤去する」とどんな罪になるのか? (2/2ページ)

道路についてはさまざまな禁止事項が定められている

 ほかにも、道路交通法における禁止事項が76条に明記されている。

道路交通法第76条
1 信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置すること
2 信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置すること
3 交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置くこと
4 次に掲げる行為をすること
一、道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと
二、道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること
三、交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること
四、石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること
五、前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること
六、道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること
七、前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

 このなかに、「交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置くこと」とあるので、道路にタイヤやその他の部品、コンクリートブロック、植木鉢などを置いて、交通を妨げると、三ヶ月以下の懲役又は五万円以下の罰金が科せられる。

 上記はいずれも故意に行なわれたケースを対象にしているが、故意でなくても事故などで街路樹や標識、街路灯、ガードレールなどを損傷させてしまった場合も、警察に届けておかないと、交通事故の報告義務違反になり、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられるので要注意(道路交通法119条1項10号)。

 さらに、たとえ負傷者がいなくても、クルマをぶつけ、何かを壊して立ち去ったとすると、いわゆる当て逃げ=「救護・危険防止義務違反」で、物損事故でも1年以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられる可能性も……。

 いずれにせよ、道路のもの、公共のものでも、それは市民の財産であり、壊したり、汚したり、イジったりすれば責任を問われるし、当然賠償も求められる。

 軽い気持ちでいたずらをしたとしても、意外に重いペナルティを喰らうこともあるので、公共の財産は大切に扱うようにしてほしい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報